第36回原子力規制委員会(令和7年10月15日)
出典 : https://youtube.com/live/eQazTUPu8ZA?si=UEMSqpo5takLJ2ym
議題1:「令和7年度原子力総合防災訓練計画」に対する原子力規制委員会の意見
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技術的な議論の内容
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訓練計画の概要(内閣府説明)
- 対象・時期: 四国電力伊方発電所を対象に、令和7年度内に実施する。
- 想定: 自然災害(中央構造線断層帯を震源とし、伊方町で震度7を想定)と原子力災害の複合災害を想定。また、休日の発災を想定し、防災対策要員の順次参集を訓練項目に含める。
- 主な訓練項目:
- 能登半島地震の教訓を踏まえ、ドローンによる物資輸送、自衛隊の機材を活用した応急浄水訓練、体育館へのエアシェルター設置訓練などを実施する。
- 住民参加による屋内退避訓練も計画されており、その中で屋内退避の考え方に関する啓発活動も行う。
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委員からの主な意見
- 地震想定の具体化: 複合災害訓練として実効性を高めるため、想定する地震の様態(どの断層セグメントが動くか等)をより具体的に設定し、それに基づく詳細な被害想定(インフラ被害等)を訓練に反映すべき。(山岡委員)
- 屋内退避の理解促進: 訓練の機会を活用し、屋内退避の運用(判断のタイミング、一時外出の考え方等)について、事前広報や事後アンケート等を通じて住民の理解が深まるような工夫を求める。(山中委員長)
- プラント訓練の目的: プラントに関する訓練シナリオは、奇をてらうものではなく、基本的な動作(情報伝達・共有など)が確実に実施できることを確認する場とすべきである。(杉山委員)
- 住民側の休日想定: 休日を想定するのであれば、要員参集の困難さだけでなく、住民側も子供が在宅しているなど平日とは状況が異なるため、その点も考慮することが望ましい。(長崎委員)
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規制庁からの宿題事項(コメント・指示)
- 内閣府に対して
- 訓練で想定する地震像をより具体的に設定し、現実的な被害想定に基づいた訓練を実施すること。
- 屋内退避の運用に関する住民の理解促進のため、事前広報や事後アンケート等の工夫を検討すること。
- 休日の住民側の生活状況も考慮した訓練内容を検討すること。
- 内閣府に対して
議題2:IAEAの枠組みの下での追加的モニタリングの分析結果に関する報告書
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技術的な議論の内容
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報告概要(規制庁説明)
- 国際原子力機関(IAEA)が公表した第2回追加的モニタリングの分析結果は、ALPS処理水の海洋放出による放射線影響は無視できるとしたIAEA包括報告書の結論と整合している。
- 規制庁がポンプロットという手法で各分析機関のデータ(トリチウム、ストロンチウム90、セシウム137)のばらつきを評価した結果、全機関のデータは統計的に許容範囲内にあることを確認した。
- 過去の分析機関間比較(ILC)で日本分析センターのセシウム137の測定値が高かった原因について、追加分析の結果、採取試料に不溶性の放射性セシウム粒子(いわゆるセシウムボールのようなもの)が混入し、放射能濃度が局所的に高くなっていたためと特定された。
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委員からの主な意見・質疑
- セシウム粒子について:
- 測定誤差ではなく、試料中の不溶性粒子の混入が原因と特定できたことは重要。今後、同様の事象に備え、粒子の性状(形状、主成分等)を詳細に分析し、関連研究も調査して知見を深めるべき。(山岡委員、委員長)
- 2倍程度の値の差は健康影響の観点では大きな問題ではないだろう。IAEAもこの知見の共有を評価しているとのことで、適切な対応だった。(杉山委員)
- IAEA報告書のデータについて: セシウム137のデータにおいて、IAEA自身の分析結果の誤差(エラーバー)が他機関に比べて著しく小さい理由について、IAEAに確認する必要がある。(長崎委員)
- 今後の対応: モニタリングの信頼性確保のため、今後も同様に突出した値が検出された場合の対応方針を検討しておくべき。(神田委員)
- セシウム粒子について:
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規制庁からの宿題事項(コメント・指示)
- 監視情報課に対して
- 日本分析センターが検出した不溶性セシウム粒子について、可能であれば詳細な分析(形状、成分等)を行い、今後の分析の参考とすること。
- IAEA報告書におけるIAEAの分析値の誤差が小さい理由について、IAEAに確認すること。
- 今後、モニタリングで突出した値が検出された場合の対応方針を検討しておくこと。
- 監視情報課に対して
議題3:国際原子力機関 (IAEA) の総合規制評価サービス (IRRS) ミッションの事前提出資料(ARM) 委員間討議
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技術的な議論の内容
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事前提出資料(ARM)の概要(規制庁説明)
- 来年1月から2月にかけて予定されているIRRSミッションに向け、自己評価書やSWOT分析などをまとめたARM案について討議。
- 自己評価の結果、IAEA安全基準に「十分に適合していない」と判断した項目として、「安全評価等におけるグレーデッドアプローチの実施」「放射性同位元素規制法における無通告検査の実施」などを挙げた。
- SWOT分析では、弱みとして「業務の縦割り」「一般向け情報発信の不足」、脅威として「人的資源の不足」「経験者の退職による知見継承の困難」などを認識している。
- これらを踏まえ、審査業務の効率化(グレーデッドアプローチ強化)、人材確保・育成、新たな規制課題への対応などをアクションプランとして設定した。
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委員からの主な意見
- 資料の整合性: サマリーレポートの記載について、施設ごと(発電炉、研究炉など)で記述の粒度にばらつきがある。比較しやすいよう、横並びでの整合性を高めるべき。(杉山委員、山岡委員)
- 廃止措置のグレーデッドアプローチ: 中期目標にも掲げている「廃止措置におけるグレーデッドアプローチの検討」が、自己評価やアクションプランに明示的に記載されていないため、追加すべき。(山中委員長)
- 事業者とのコミュニケーション: 透明性を重視するあまり、事業者が規制当局に対し、計画等を早期に相談しにくい状況があるのではないか。これは規制活動上の弱みになりうるため、事業者との建設的な連携のあり方として、工夫の余地があることを資料に含めるべき。(杉山委員)
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規制庁からの宿題事項(コメント・指示)
- IRRS対応室に対して
- ARM(特にサマリーレポート)について、施設ごとの記述の整合性を図るなど、全体的な見直しを行うこと。
- 「廃止措置におけるグレーデッドアプローチの適用検討」を、自己評価及びアクションプランに明記すること。
- 事業者とのコミュニケーションのあり方について、工夫の余地があるというニュアンスを自己評価の回答に含めることを検討すること。
- 上記を踏まえて修正したARM案を、改めて委員会に諮ること。
- IRRS対応室に対して