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第560回核燃料施設等の新規制基準適合性に係る審査会合(令和7年10月15日)

出典 : https://youtube.com/live/j4jzOUqEk-0?si=4FsebhFqjW5McA3d

令和7年度 第560回核燃料施設等の新規制基準適合性に係る審査会合 議事録

議題1:日本原子力研究開発機構大洗原子力工学研究所(南地区)の原子炉施設(高速実験炉原子炉施設(常陽))の変更に係る設計及び工事の計画の認可申請について

設計用床応答スペクトルの作成方針について

  • 技術的な議論の内容

    • JAEAからの説明概要
      • 解析対象建物: Sクラス機器の間接支持構造物である原子炉建物、原子炉付属建物、主冷却機建物と、Bクラス機器の間接支持構造物である第一・第二使用済み燃料貯蔵建物を対象とする。
      • 地震応答解析モデル: 建物と地盤の相互作用を考慮した質点系モデル(埋込SRモデル)を用いる。側面地盤バネの算定にはノバック(Novak)の理論式を、減衰定数は鉄筋コンクリート造であることを考慮し5%を適用する。
      • 地盤のモデル化と解析:
        • ボーリング調査に基づき、敷地内の各建物で共通の水平成層地盤としてモデル化している。
        • 地盤の地震応答解析には等価線形解析(SHAKEコード)を用いる。基準地震動Ss-4(最も厳しいケース)でも最大せん断ひずみは0.63%と適用上限の1.0%を下回っており、別途実施した逐次非線形解析との比較でも建物の応答が同等であることから、等価線形解析の適用は妥当と評価した。
      • ノバックの側面バネの適用性評価:
        • 建物と地盤の接触状況: 各建物は、埋め込み効果を見込む条件(3面以上または面積75%以上が地盤と接触)を満足していることを確認した。
        • 埋め戻し土の取扱い: 埋め戻し土を考慮しない現地盤の物性値を用いた方が保守的な応答となるため、現地盤の物性値を使用する方針とした。
        • 主冷却機建物の辺長比: 主冷却機建物は辺長比が1.1を大きく超える(約2.4)ため、別途、境界要素法(BEM)による解析を実施。3.11地震の観測記録との比較シミュレーションにおいて、ノバック理論を用いた方がBEMより観測記録との整合性が高かったことから、ノバックの側面バネの適用は妥当と判断した。
      • 地下水位の設定:
        • 2015年から2022年までの観測記録に基づき、設計用地下水位をT.P.+6.7mに設定した。これは観測期間中の最大値(T.P.+6.08m)に対し、過去の最大降雨量を考慮しても余裕のある保守的な設定である。
        • 建物周辺は掘削後に砂質土で埋め戻されており、地表付近の宙水(ちゅうすい)は砂質土に浸透し、主たる地下水(上水)に流れるため、建物周辺には宙水は存在しないと評価した。
      • その他の影響評価:
        • 液状化:基準地震動Ssに対し、地下水位が分布する砂質土層は液状化しないことを確認した。
        • 隣接建物等の影響:夏見湖、隣接建物(原子炉建物と主冷却機建物)、3次元的な応答などが地震応答解析モデルに与える影響は小さいことを確認した。
      • 解析モデルの妥当性検証: 3.11地震の観測記録を用いたシミュレーション解析を実施し、解析結果が観測記録とおおむね整合することから、解析モデルの妥当性を確認した。
  • 規制庁からの宿題事項(コメント・指示)

    • 地盤の非線形解析の実施: 複数の基準地震動(SS-1 NS, SS-2 NS, SS-3 NS, SS-6, SS-D)において、支持地盤の剛性低下率の平均値が0.7を下回っている。規格に基づき、これらの地震動に対して地盤の材料非線形性を考慮した時刻歴応答解析(非線形解析)を実施し、現行の等価線形解析結果との比較・整理を行った上で、差異について説明すること。
    • 宙水の流れと埋め戻し土の健全性: 宙水が主たる地下水へ流れるとしているが、その具体的な流れを説明し、その流れによって建物周辺の埋め戻し土の地盤剛性が損なわれない(期待できる)ことを説明すること。
    • 基準地震動Ssに対する建屋と地盤の密着性: 側面バネ(ノバックバネ)の適用条件には、建屋側面と地盤が密着していることがある。3.11地震のような比較的小さな地震動だけでなく、基準地震動Ssに対してもこの密着性が維持されることを説明すること。
    • 主冷却機建物の地盤バネ評価:
      • 主冷却機建物は、ノバック理論の適用範囲(辺長比1.1以下)を大幅に超えている。3.11地震の観測記録との比較だけでは、基準地震動Ssに対する妥当性の説明として不十分である。
      • 辺長比の大きい形状や、北側に原子炉付属建屋が近接している状況等を適切に考慮できる手法(BEMや3次元FEM解析など)を用いて、基準地震動Ssに対する地盤バネを評価し、ノバック理論を用いた現行の床応答との比較などにより、その妥当性を示すこと。

運転再開炉心の核熱計算における主な入力条件について

  • 技術的な議論の内容

    • JAEAからの説明概要(前回会合での指摘への回答)

      • 解析条件:
        • 運転再開炉心には、MK-Ⅲ炉心の最終サイクルで使用した燃料を継続して使用し、新燃料は装荷しない。
        • 核熱計算にあたっては、燃料製造時の実測組成を初期値とし、個々の燃料の照射履歴を反映した燃料組成を入力条件として用いる。
        • 現時点の評価では、炉心平均燃焼度は約35,000MWd/t、最高燃焼度でも約66,200MWd/tであり、制限値(80,000MWd/t)を十分に下回る。
      • 解析結果: 現時点で予定している運転再開炉心の構成において、最大過剰反応度、反応度停止余裕、反応度係数、燃料最高温度、被覆管最高温度などの核的・熱的制限値を全て満足することを確認した。
      • 今後の対応: 実際の運転に先立ち、保安規定に基づき、その時点での炉心構成で制限事項を満足することなどを改めて評価・確認する。必要に応じて使用前事業者検査等で実測確認も行う。
    • 質疑応答

      • 規制庁からの確認: 今後、運転再開時期が変更になった場合、燃料組成も変化すると考えられるが、その際の対応はどのように行うか。
      • JAEAからの回答: 運転再開時期が変更になった場合でも、保安規定に基づき、実際の運転再開前の時点での正しい燃料組成を用いて再計算し、各種制限値を満足することを確認する。
      • 規制庁のコメント: 上記の対応方針を了解した。
  • 規制庁からの宿題事項(コメント・指示)

    • 特になし。JAEAからの回答内容は妥当と判断された。