第1364回原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合(令和7年10月16日)
出典 : https://youtube.com/live/kXtiea9bgKQ?si=_mmdkjrtJ7zvQ96c
- 日時: 2025年10月16日(木) 13:30~
- 議題:
- 中国電力(株)島根原子力発電所3号炉の設計基準への適合性及び重大事故等対策について
- 中部電力(株)浜岡原子力発電所4号炉の設計基準への適合性及び重大事故等対策について
- 北海道電力(株)泊発電所3号機の設計及び工事の計画の審査について
議題1:中国電力(株)島根原子力発電所3号炉の設計基準への適合性及び重大事故等対策について
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竜巻影響評価 (資料1-1-1, 1-1-2)
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技術的な議論の内容:
- 中国電力より、竜巻影響評価について説明。
- 評価の基本フロー、外部事象防護対象施設の抽出フロー、設計荷重、設計飛来物の設定方針(抗生剤)などは、島根2号炉と同様の方針であることを確認。
- 2号炉の調査(平成25年)から時間が経過しているため、令和6年に飛来物の追加調査を実施したが、抽出結果は2号炉と同様。
- 竜巻防護対策(ネット、扉、防護鋼板)や飛来物発生防止対策(エリア設定、車両管理等)も2号炉と同様の方針。
- (規制庁 宇田川氏)2025年9月に静岡県牧之原市で発生した竜巻が、島根3号炉の基準竜巻(92m/s)設定に与える影響について質問。
- (中国電力 栗栖氏)牧之原市は島根原発の竜巻検討地域(日本海側)の地域外であるため、評価への影響はないと回答。
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規制庁からの宿題事項(コメント・指示):
- 特になし。
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内部火災 (資料1-2-1, 1-2-2)
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技術的な議論の内容:
- 中国電力より、内部火災対策について説明。
- 火災防護対象機器の選定、火災発生防止対策、火災感知設備(異なる方式の組合せ)、消火設備(自動ガス消火、局所ガス消火、消火器等)の基本方針を説明。
- 影響軽減対策は、原則として3時間耐火壁による系統分離(安全系区分1と2・3)を実施。
- 中央制御室(中操)床下フリーアクセスフロアは、系統分離(6m離隔や3時間耐火)が困難なため、「1時間耐火(ラッピング等)+自動火災報知器+固定式消火設備(手動)」の組合せで防護する。
- (規制庁 伊藤氏)中操床下の手動消火の理由について質問。
- (中国電力 時岡氏)運転員常駐エリアであり、誤作動による放出や運転員の退避時間を考慮し、人身安全のため手動としたと回答。火災受信盤と消火起動盤はともに中操内にあり、早期消火可能。
- (規制庁 鳥越氏)中操床下の1時間耐火ラッピング内部で火災が発生した場合の感知・消火について質問。
- (中国電力 時岡氏)3時間耐火と同様に、実証実験で窒息消火できることを確認済みであり、設備の異常警報で感知可能と回答。
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規制庁からの宿題事項(コメント・指示):
- (規制庁 伊藤氏)中操床下の手動消火の手順(運転員の退避、消火実施等)について、火災防護計画に明確化すること。
- (規制庁 鳥越氏)中操床下の1時間耐火ラッピングについて、内部火災時に窒息消火できることを示す実証実験結果等の根拠を資料に明記すること。
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有効性評価 (DCH, FCI, MCCI) (資料1-3-1等)
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技術的な議論の内容:
- 中国電力より、高圧溶融物放出/格納容器雰囲気直接加熱(DCH)、原子炉圧力容器外の溶融燃料冷却材相互作用(FCI)、溶融炉心・コンクリート相互作用(MCCI)の有効性評価について説明。
- 上記3事象は、同じシナリオ(TQX、低圧注水機能喪失、代替注水期待せず、全交流動力電源喪失)で評価。
- 対策:(1)急速減圧(DCH対策)、(2)ペデスタル(カブドライウェル)水張り(FCI, MCCI対策)、(3)ペデスタル連続注水(MCCI対策)、(4)RHR(残留熱代替除去系)によるスプレー・循環冷却、(5)窒素注入。
- 島根3号炉特有のMCCI対策として、ペデスタル内にコリウムシールドを設置し、溶融炉心の拡散防止とコンクリート侵食抑制を図る。
- 評価結果は各事象とも基準を満足。
- 設計見直しとして、格納容器内の水素・酸素濃度監視設備を、測定原理の異なるSA設備として新設する。
- (規制庁 菊川氏)新設するSA用濃度計(除湿器・冷却器なし)が、高蒸気環境で測定可能か質問。
- (中国電力 佐々木氏)SA設備は配管をヒーターで加熱し、凝縮しない設計のため計測可能と回答。
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規制庁からの宿題事項(コメント・指示):
- (規制庁 菊川氏)SA用水素・酸素濃度計のサンプリング装置に関する詳細(除湿・測定能力)について、今後の設工認(設計及び工事の計画の認可)で説明すること。
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SA設備手順 (フィルターベント系, 残留熱代替除去系, 水素爆発防止設備) (資料1-4)
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技術的な議論の内容:
- 中国電力より、上記設備について説明。
- 格納容器フィルターベント系(FCVS):50条適合設備。フィルター装置(スクラバー、金属フィルター)で放射性物質を除去。窒素パージにより爆発防止。弁は人力による遠隔手動操作。
- 残留熱代替除去系(RHR)循環冷却モード:50条適合設備。FCVSより優先使用。FCVSとは多様性(冷却原理、人力操作)と位置的分散を確保。
- 島根3号炉のFCVSの特徴:配置制約からスクラバ容器を複数(5基)構成とし、連結管で流量ばらつきを抑制。
- FCVS放射線モニターの設計見直し:屋外1か所2個設置に変更。
- 原子炉建物水素爆発防止設備(53条):FCVS、静的触媒式水素処理装置(PAR)、水素濃度計等。
- (規制庁 本藤氏)FCVSのスクラバ容器複数構成について、スクラビング水補給後(事故後7日以降)に連結管が残水で閉塞し、気相部が連結されなくなる影響を質問。
- (中国電力 上田氏)事故後7日以降はベントガス流量が小さく(ばらつき1%未満)、性能に影響しないと回答。それ以前は補給不要で連結機能は維持される。
- (規制庁 反町氏)FCVS放射線モニターの設計変更(運用性向上)の具体的内容を質問。
- (中国電力 矢吹氏)レンジを最適化(2レンジ→1レンジ・2個設置)し、視認性向上と保全性向上を図ったと回答。
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規制庁からの宿題事項(コメント・指示):
- 特になし。(規制庁 秋元氏より、DB・SA全般について現時点で特段の指摘事項はなく、新たな論点が出れば別途議論することを確認。)
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審査スケジュール (資料1-5)
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技術的な議論の内容:
- 中国電力より、審査スケジュールの変更点を説明。
- 主な変更点:(1)指摘事項回答(チャンネルボックス厚さ変更等)の時期追記、(2)一部案件の前倒し、(3)大規模損壊関連(55条等)の資料提出前倒し。
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規制庁からの宿題事項(コメント・指示):
- 特になし。
議題2:中部電力(株)浜岡原子力発電所4号炉の設計基準への適合性及び重大事故等対策について
- 有効性評価 (過圧・過温破損, 水素燃焼) (資料2-1-1等)
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技術的な議論の内容:
- 中部電力より、有効性評価について説明。
- 前回からの変更点:格納容器代替循環冷却系の冷却設備を、緊急時海水取水系から原子炉機器代替冷却水系に変更。
- 過圧・過温破損(代替循環冷却系 使用):
- 対策手順:(1)低圧代替注水系(補給水ポンプ)で注水 → (2)注水を緊急時ディーゼル駆動注水ポンプ(EDI)に一時切替 → (3)代替循環冷却系を起動し、EDI停止。
- EDIへ一時切替する理由は、補給水ポンプ(A系配管使用)と代替循環冷却(A系スプレー使用)が配管(A系)で干渉するため。注水途絶を防ぐため、独立ラインのEDIを使用する。
- 過圧・過温破損(代替循環冷却系 不使用):
- 対策手順:(1)補給水ポンプで注水 → (2)約21時間後、可搬型スプレー(間欠)実施 → (3)約27時間後(外部注水制限到達)、スプレー停止し、フィルターベント実施。
- 水素燃焼:酸素濃度を可燃領域未満に抑える方針。
- (規制庁 本藤氏)EDIへ切り替える手順の妥当性(B系を使えば不要ではないか)について質問。
- (中部電力 安井氏)既設ポンプ(補給水ポンプ)と新設ポンプ(代替循環冷却)の配置成立性(圧力損失、耐震補強)から、両方ともA系側に近い北西側設置となり、A系配管接続が合理的となったためと回答。
- (規制庁 菊川氏)可搬型ポンプによるスプレーと補給の同時実施、および外部水源(サージタンク等)の切替について質問。
- (中部電力 水原氏、島本氏)スプレーと補給は状況に応じ優先順位をつけて実施可能。外部水源切替は、別ポンプと複数接続口により途切れなく実施可能と回答。
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規制庁からの宿題事項(コメント・指示):
- (規制庁 菊川氏)今後の訓練において、複数の外部水源(サージタンク等)の準備や切り替えについても考慮すること。
- (規制庁 秋元氏)2025年9月の静岡県牧之原市の竜巻について、浜岡の方が近いため、基準竜巻・設計竜巻の最大風速設定に影響を与えるか、今後の審査会合で説明すること。
- (規制庁 秋元氏)上記竜巻の件を除き、過圧・過温破損、水素燃焼、限界温度・圧力について、現時点で特段の指摘事項はないと確認。
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格納容器の限界温度・圧力評価 (資料2-1-2等)
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技術的な議論の内容:
- 中部電力より、200℃・2Pd環境下での格納容器の構造健全性(本体)及び機能維持(シール部)評価について説明。
- 福島第一原発1号機の知見(原子炉補給冷却系統の汚染)を踏まえ調査した結果、浜岡4号炉では同様のリークパスは形成されないことを確認。
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規制庁からの宿題事項(コメント・指示):
- 特になし(上記1.のコメントに集約)。
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PRA及びシーケンス選定 (資料2-1-18, 2-1-19等)
- 技術的な議論の内容:
- 中部電力より、地震PRA、津波PRA、シーケンス選定について説明。
- 地震PRA:全CDF 5.7x10^-6/炉年。主要因は「交流電源・機器冷却系喪失」(長期TB)。
- 津波PRA:ハザードは暫定値を使用。 全CDF 7.8x10^-7/炉年(主にTP28m超の津波に起因)。
- シーケンス選定:
- 津波PRAの結果(CDF 7.8x10^-7/炉年、全CDF寄与3.9%)が有意であり、対策も内部事象と異なるため、「津波浸水による全注水機能喪失」を有効性評価対象として新たに追加。
- 「防波壁が概ね弾性状態を超える事象」(CDF 2.3x10^-7/炉年、寄与1.2%)は、頻度が十分小さいと判断し、追加しない。
- (規制庁 菊川氏)格納容器バイパス/隔離失敗を破損モードから除外した理由(運用上の対策)について質問。
- (中部電力 大石氏、島本氏)BWRは常時窒素充填しており、圧力等を日常監視している。さらにSA計器(温度・圧力)を新設し監視性を向上させており、早期検知可能であるため、除外したと回答。
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規制庁からの宿題事項(コメント・指示):
- (規制庁 西内氏)津波ハザードは審査中(暫定値)であるため、ハザード審査確定後にPRAへの影響を改めて説明すること。
- (規制庁 西内氏)津波PRAに基づくシーケンス選定(「全注水機能喪失」のみ抽出し、「防波壁が概ね弾性状態を超える事象」を除外した判断)について、判断基準(メルクマール)と影響度(深刻度)も踏まえた総合的な考え方を、エビデンスに基づき改めて審査会合で説明すること。
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有効性評価 (津波浸水による全注水機能喪失) 及び 超過津波に対する津波防護方針 (37条, 43条, 47条) (資料2-1-22, 2-1-32, 2-1-34等)
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技術的な議論の内容:
- 中部電力より、浜岡4号炉の特徴である超過津波対策について説明。
- 基本方針:先行炉のように高所に設置するのではなく、建屋内の常設設備(水密扉等で防護)により対応する方針。
- 評価上の想定:超過津波により全交流電源喪失(保守的に24時間使用不可)、可搬型設備に期待しない(アクセスルート復旧不確かさのため)。
- 具体的対策(37条, 47条):建屋(原子炉建屋)内に設置した「低圧代替注水系(常設)緊急時ディーゼル駆動注水ポンプ(EDI)」により原子炉注水を実施。 EDIの給排気口は原子炉建屋3階以上(高所)に設置。
- 具体的対策(43条):
- 超過津波時は防波壁を越流するため、原子炉建屋等の外壁を外郭防護1と位置づける。
- 漂流物対策として、建屋浸水防止設備(水密扉等)の外側に「防水パネル、強化扉・強化パネル」を設置(先行炉と異なる)。
- 取水性:緊急時海水取水ポンプは、引き波、砂の堆積・浮遊砂の影響を受けない設計。
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規制庁からの宿題事項(コメント・指示):
- (規制庁 西内氏)浜岡の特徴である超過津波対策(建屋防護、防水パネル等)について、以下の3点を改めて整理し、審査会合で説明すること。
- 基本的な防護コンセプト:なぜ「建屋防護」を基本としたのか(高所設置、流入許容との使い分け・優先順位)。
- 防護対象設備の全体像:多数点在する防護対象設備が、上記コンセプトに基づき「どのように防護されているか」の全体像(一覧性)を示すこと。
- 各防護対策の実現性・具体的根拠:
- 防水パネル、強化扉・強化パネル(漂流物対策、先行実績なし)の実現可能性を、代表ケースの評価等で具体的に示すこと。
- 水密パネル(東海第二と異なり採用)の実現可能性(止水構造、強度)を具体的に示すこと。
- 流入許容設備(浸水しても機能維持)が、なぜ機能維持できるのか(没水対策等)を具体的に説明すること。
- (規制庁 西内氏)浜岡の特徴である超過津波対策(建屋防護、防水パネル等)について、以下の3点を改めて整理し、審査会合で説明すること。
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対津波設計方針 (5条) 指摘事項回答 (資料2-2-1)
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技術的な議論の内容:
- 中部電力より、前回指摘(取水槽溢水防止壁の地上設置型フラップゲートの妥当性)への回答を説明。
- 指摘(人為的操作不可、失敗時バックアップなし、動作確認困難、地震・津波時の確実性)を踏まえ、採用を断念。常時閉方式の扉(先行プラントで審査実績あり)を採用する方針に変更する。
- この方針変更に伴い、保管場所・アクセスルートの評価(従来はフラップゲートからの排水に期待していた)が変更となる。
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規制庁からの宿題事項(コメント・指示):
- (規制庁 篠氏)
- 新たに採用する常時閉方式の扉の具体的な方式(構造等)を今後の審査会合で説明すること。
- 前回指摘した設置箇所数の方針(扉の必要性)についても、方針変更を踏まえ改めて説明すること。
- (規制庁 西内氏)
- 方針変更に伴い影響を受ける関連条文について、網羅的に抽出し、その抽出プロセスも含めて説明すること。
- 保管場所・アクセスルートへの影響について、排水方法の変更(敷地内水源の低減なども含め)を総合的に検討し、具体的に説明すること。
- (規制庁 篠氏)
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審査スケジュール (資料2-3)
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技術的な議論の内容:
- 中部電力より、審査スケジュールの変更点を説明。
- 主な変更点:ハザード審査工程の最新化、津波防護施設(フラップゲート方針変更)のコメント回答時期設定、内部火災のコメント回答時期設定、SA関連の説明時期設定など。
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規制庁からの宿題事項(コメント・指示):
- 特になし。
議題3:北海道電力(株)泊発電所3号機の設計及び工事の計画の審査について
1. 工事計画認可申請(補正2回目)の概要 (資料3-1)
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技術的な議論の内容:
- 北海道電力より、第2回補正(9月30日実施)の概要について説明。
- 第2回補正では、主要建屋・設備の耐震計算書、強度計算書(竜巻、溢水、津波)、アクセスルート健全性評価などを提出。第1回補正資料の設計進捗(床応答曲線等)も反映。
- 解析工程の見直し(水路補強解析の遅延)により、一部の耐震・強度計算書(1,2号取水路流路縮小工、1,2号放水路逆流防止設備)の補正回が第2回から第3回に変更。ただし、全5回の全体工程に変更なし。
- 第2回補正までで、全体約3.5万ページのうち約75%(約2.6万ページ)を提出済み。
- 耐震・強度評価結果の代表例(原子炉建屋、蒸気発生器伝熱管、防潮堤、DG建屋(竜巻)、アクセスルート(液状化))を示し、許容値を満足することを確認。
- (規制庁 小野氏)資料の「適正化」(不要な注記の削除等)の具体的内容について質問。
- (北海道電力 畠山氏)配管名称の既工認との紐づけ注記漏れなど、約30件を適正化したと回答。
- (規制庁 藤原氏)防潮堤について、設置許可段階からの大きな方針変更の有無を質問。
- (北海道電力 立田氏)大きな方針変更はなく、材料や止水ジョイント形状等の詳細設計の変更のみと回答。
- (規制庁 小野氏)竜巻評価でDG建屋を代表とした理由を質問。
- (北海道電力 高橋氏)DG建屋は屋根の評価でFEM衝突解析まで実施しており、全ての評価パターンを網羅しているため代表としたと回答。
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規制庁からの宿題事項(コメント・指示):
- (規制庁 小野氏)申請書(要目表等)の記載適正化(誤記等)について、今後補正が続くため、このようなことが無いよう引き続きしっかり対応すること。
- (規制庁 石井氏)耐震評価に関する今後の審査対応について、以下の3点を準備すること。
- 膨大な耐震計算書について、類型化・代表設備選定など効率的な説明方法を検討すること。
- 弾塑性解析が必要な設備は、妥当性確認に時間を要するため、代表設備として選定するとともに、評価方法の効率的な説明を準備すること。
- 制御棒挿入性評価や機能維持評価で参照する既往試験(実験データ)の適用性について、説明を準備すること。
- (規制庁 中川氏)(まとめ)審査の後戻りを生じさせないよう、申請資料の作成(誤記防止等)にはしっかり対応すること。