第1366回原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合(令和7年10月31日)
出典 : https://youtube.com/live/Twb9k_G1TIA?si=dTvgaxkS5Fcs3VlR
議題1:関西電力株式会社美浜発電所の発電用原子炉設置変更許可(3号発電用原子炉施設の変更)——使用済燃料乾式貯蔵施設の設置——決定
- 技術的な議論の内容
- 本件は、令和6年7月12日に関西電力が申請した、美浜発電所3号機の使用済燃料乾式貯蔵施設の設置に関する設置変更許可です。
- 原子力規制委員会は、令和7年9月24日に審査結果の案を取りまとめていました。
- その後、原子力委員会へ意見聴取し、「平和の目的以外に利用される恐れがない」との答申を受けました。
- 経済産業大臣へも意見聴取し、「許可することに異存はない」との回答を得ました。
- 技術的な議論は9月24日の会合で完了しています。
- 規制庁からのコメント・指示
- (本件は「決定」のため、質疑・コメントはありませんでした。)
- 決定事項
- 委員による採決の結果、別紙3のとおり「発電用原子炉設置変更許可申請書に関する審査の結果」を取りまとめること、および別紙4のとおり「発電用原子炉設置変更許可」を決定しました。
議題2:国際原子力機関(IAEA)の総合規制評価サービス(IRRS)ミッションの事前提出資料(ARM)(第2回)了承
- 技術的な議論の内容
- 令和7年10月15日の委員会で議論されたARM(事前提出資料)案に対するコメントへの対応状況が説明されました。
- 主な修正点(10月15日のコメント反映):
- サマリーレポート内の許認可・審査・評価の章で、発電炉、研究炉、核燃料施設等の記述について、施設間の横並び(比較)がしやすいよう修正しました。
- IAEAのテンプレート項目(例:4.4の測定(Measurement))に対し回答が漏れていた箇所を精査し、内容(例:業務計画の進捗に関する定量的・定性的評価、職員アンケートによる安全文化の測定)を追記しました。
- 廃止措置に関するグレーデッドアプローチについて、アクションプラン3(実用炉の許認可制度の見直し)の中に、「廃止措置計画認可制度」についてもグレーデッドアプローチを踏まえた見直しを行う旨を追記しました。
- SARIS(Self-Assessment Reporting and Information System)回答案(No. 26)の事業者とのコミュニケーションに関し、「原則公開」の運用において、規制の検討に必要な事業者からの情報提供のあり方について「工夫の余地がある」というニュアンスを追記しました。
- (杉山委員コメント関連)旧原子力安全委員会が作成した指針等を、単に参照するのではなく、規制委員会がその中身の責任も含めて引き継いでいることを明確にするよう記述を修正しました。
- 規制庁からのコメント・指示(委員からのコメント)
- (長崎委員) 略称リストが現在、本文中の登場順になっているが、アルファベット順の方が見やすいため、検討を指示しました。
- →(規制庁)アルファベット順に整理することを了承しました。
- (山岡委員) SARIS No. 26の「公式(フォーマル)」と「非公式(インフォーマル)」の対話の区分は、文化的背景もあり国によって解釈が異なる可能性があるため、IRRSミッション本番のやり取りの中で、IAEA側の意図をよく確認し、議論するよう指示しました。
- (山中委員長) 廃止措置に関する記述を(アクションプラン等に)明記・追記したことで、より分かりやすくなったと評価しました。
- (長崎委員) 略称リストが現在、本文中の登場順になっているが、アルファベット順の方が見やすいため、検討を指示しました。
- 決定事項
- 別紙2から別紙4(サマリーレポート案、SARIS回答案等)の内容、および別紙5(参考資料リスト)について、英訳したものをIAEAに提出することを了承しました。
- 今後の予定:11月25日までにIAEAへARMを提出し、令和8年1月26日からのミッションに臨みます。
議題3:東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所に係る審査及び検査の改善に向けた検討(第3回)了承
- 技術的な議論の内容
- 背景: 1F(福島第一原子力発電所)の状況が事故直後と比べ安定し、敷地外への多量放出リスクが相当低減しました。このため、原子力安全上より重要なものに規制資源を重点的に投入できるよう、審査・検査の枠組みを改善します。
- 1. 審査に関する改善:
- 審査実績の文書化: これまでの1F特有のケースバイケースの審査実績や知見を「実務要領」として策定します。これは審査官が参考にする文書とし、ガイド(=規制要求)とはせず、1F室長の決裁で柔軟に改定できるようにします。
- LCOの名称変更: 廃止措置に向けた作業中の施設の運用実態に鑑み、「運転上の制限(LCO)」という名称を、他の廃止措置施設で用いられている「施設運用上の基準」等に変更することを検討し、規則改正案を作成します。
- 2. 検査に関する改善(規則改正):
- 溶接検査: 消耗品交換など同一設計の繰り返し溶接は経験が蓄積されているため、「溶接検査」を独立させず、「使用前検査」に統合し、供用開始時の最終性能確認の中で合わせて適切性を確認します。
- 使用前検査: タンクなど同一設計で繰り返し設置される施設は、実績(安全上の問題なし)を踏まえ、事業者の意見も聞いた上で対象を選定し、規則に基づき「使用前検査」を受けずに使用できるよう文書で通知する枠組みとします。また、工事工程ごとではなく、より柔軟な検査ができるよう規則を改正します。
- 施設定期検査: 現状は全設備に実施しておりリスクベースになっていません。今後は「施設定期検査」の枠組み(を廃止し)、事業者の施設管理の状況は「保安検査」にて確認する形とし、リスクに応じた資源投入が可能な枠組みとします。
- 規制庁からのコメント・指示(委員からのコメント)
- (山岡委員) 今回の改善(リソースの重点化)の考え方は、他の一般施設の廃止措置や審査・検査にも共有できる知見であるため、規制庁内でうまく情報共有を進めるよう指示しました。
- (杉山委員) 合理化の検討にあたっては、「過去の実績」に加え、「リスク(サイト外影響、作業員被曝など)」をしっかり踏まえた線引きの考え方を共通認識として持つよう指示しました。「施設運用上の基準」という名称は、既存の用語であり適切であると評価しました。
- (山中委員長) 今回の改善は、単なる合理化ではなく、作業やプロセスのリスクを事業者と規制側が共有・理解した上で審査・検査を行うための改善であると認識している旨を述べました。
- 決定事項
- 提示された審査・検査の改善の方向性を了承しました。
- 今後の予定:11月頃に東電と意見交換、12月頃に規則改正案のパブリックコメント実施を委員会に付議し、令和8年4月1日から新制度の運用開始を目指します。
議題4:山岡委員の出張報告
- 技術的な議論の内容
- 会議: IAEA(国際原子力機関)主催の「外部ハザードに関する対応の国際会議」(ウィーン)
- キーノートスピーチ実施: 山岡委員が登壇し、能登半島地震を題材に、外部ハザードに対する日本の経験と国際貢献について講演しました。
- 会議の主なトピック:
- 強振動ハザード確率論的研究や、気象シミュレーション(AI活用による台風進路予測等)の動向が報告されました。
- SMR(小型モジュール炉)やアドバンストリアクター(新型炉)に関する議論が活発であり、それらの外部ハザード対策についても議論されました。
- 「レジリエンス」(回復力)という概念が重視されてきていること、福島第二原子力発電所が津波災害を切り抜けた「レジリエンス」の事例として言及されたことが報告されました。
- IAEAとの意見交換: EESS(外部イベント安全セクション)のパオロ・コントリー氏らと意見交換を実施しました。
- 規制庁からのコメント・指示(委員からの所感・提言)
- (山岡委員)
- 国際会議の場での日本のプレゼンス向上のため、規制人材育成事業で関わりのある大学教員や、国内の地球科学系学会との連携を強化し、参加を促していくことが国際貢献にもつながると提言しました。
- 会議資料は今後Webで公開される予定です。
- (山岡委員)
その他:原子力施設等におけるトピックス(令和7年10月20日~10月26日)
- 技術的な議論の内容
- 事故対処室より2件の事案について報告がありました。
- 1. 美浜発電所3号機 LCO逸脱事案(10月24日):
- 内容:排気系(アニュラス送風機)の出口ダンパーが固着。
- 対応:ダンパー軸に注油したところ動作が回復し、LCO逸脱から復帰しました。
- (杉山委員より確認)本件はLCOの完了時間が10日間と設定されている(=事故時に使用するよう素除去系であり、直ちに運転に影響するものではない)ため、リスクがそれほど高くない事案であるとの認識でよいか。
- (規制庁)その通り。
- 2. 島根原子力発電所2号機 新燃料の転倒(受取検査中):
- 内容:燃料メーカーから輸送された新燃料の受取検査時、クレーン作業中にロック(治具)の固定を失念したため、燃料が転倒しました。
- 影響:作業員1名が負傷(労働災害)。燃料が変形しました。
- 所管:受取検査中のため、まだ電力会社の所有物ではなく、燃料メーカーの責任下での作業でした。
- 規制庁からのコメント・指示(委員からのコメント)
- (杉山委員) 島根2号機は最近運転を再開したため、燃料納入作業も久しぶりだったと思われる。それ故に(ロック失念という)基本動作が徹底されていなかった点は残念である、とコメントしました。
### 議題1:電源開発(株) 大間原子力発電所の敷地の地質・地質構造について
技術的な議論の内容
- 評価対象: シームS-11の評価(第三段階:変状あり・活動なしの境界設定、第四段階:工学的対処の範囲設定)
- 第三段階:変状あり・活動なしの境界設定
- 境界設定の方針変更:
- 前回方針:ボーリングコア観察と定量的指標を「相互に補完」し、境界を「見直す」。
- 今回方針:ボーリングコア観察による「シームS-11」と「風化部下限」の交線を基準位置(①)とする。 この基準位置より深くなる(南側)のボーリングコアで調査分析を行い、定量的指標に基づき「活動なし」と判定された位置(②)を「変状あり・活動なしの境界」として確定する。
- 判定方法(定性的): S-11の周辺岩盤の風化区分に着目。S-11の上下盤がともに「新(鮮)部」の場合を「活動なし」、それ以外を「変状あり」と判定する。
- 判定指標(定量的): 以下の3項目を選定。
- 色彩値 (b*値)
- 針貫入勾配
- PXRF分析値 (CaO)
- 基準値の設定:
- 後期更新世以降の活動がないCF-3断層により切断されている箇所付近(CC'断面)のボーリングコア(7孔)を基準とした。
- 新(鮮)部の測定データ(最大値または最小値)に基づき、以下の基準値を設定。
- 色彩値 (b値):12以下*
- 針貫入勾配:2 N/mm以上
- PXRF分析値 (CaO):1.58%以上
- 判定基準: 上記3項目のうち、2項目以上が基準値を満たす場合を「活動なし」と判定する。
- 境界の確定:
- Aエリア、Bエリア、重要施設付近の各ボーリングコアで判定を実施。
- S-11と風化部下限の交線より南側で、「活動なし」と判定されたボーリングコア(緑丸)を結んだ線(青の波線)を、「変状あり・活動なしの境界」として設定した。
- この境界は重要施設付近には現れず、施設から離れた箇所に位置することを確認した(パネルダイアグラム)。
- 基準適合性評価:
- S-11はCF-3断層(後期更新世以降活動なし)に切断されている。
- 上下盤ともに新(鮮)部のS-11は、CF-3断層付近のS-11と同様の性状であり、後期更新世以降の活動はないと判断した。
- 「変状あり」の領域のS-11を除去(工学的対処)することで、重要施設地盤に露頭するS-11は全て「活動なし」となり、設置許可基準規則第3条に適合するとした。
- 境界設定の方針変更:
- 第四段階:工学的対処(掘削)の範囲
- 平面方向: 第三段階で設定した「変状あり・活動なしの境界」の南側を起点とし、地表側(北側)の範囲(青ハッチ部)。
- 深さ方向: S-11の下盤に分布する「暗灰色火山礫凝灰岩」を起点とし、地表までの範囲。
- 施工時の管理記録: 施工段階(一次~三次掘削)に応じ、以下の確認項目について管理記録(地質観察、写真、スケッチ、定量的指標の測定値等)を作成する。
- 掘削底盤面がS-11下盤の暗灰色火山礫凝灰岩であること。
- 掘削のり面に露頭するS-11の上下盤が、「活動なし」と判定される新(鮮)部であること。
規制庁からの宿題事項(コメント・指示)
- 工学的対処の実施について(佐藤氏、大島部長):
- 風化部でも設定した基準値に近い値を示す箇所(特異な箇所)が存在する可能性がある。
- 工学的対処の実施にあたっては、データ(数値)だけでなく、個別に現場状況を判断し、必要に応じて掘削除去の範囲を拡大するなどの措置を講じること。
- 記録の取り方について(大島部長、岩田氏):
- 工学的対処の実施時、特に特異なデータが出た場合や何らかの判断(例:棄却、追加措置)を行った場合は、そのプロセスや判断理由をしっかり記録として残すこと。
- S-11の対処は設置変更許可に基づくものであり、設工認の技術基準要求はないため、記録をしっかり取ることは(参考扱いではなく)本文事項とすること。
- 工事の方法の概略や、どういう段階でどの項目(3つの定量的指標も含む)を記録するのか、重要施設付近の扱いも含め、後段規制で混乱しないよう分類・整理すること。
- 説明性向上について(佐藤氏、岩田氏):
- 今回基準値設定に用いたCC'断面(7孔)のデータだけでなく、敷地全体で得られたデータ(テストエリア含む)を俯瞰し、風化部と新(鮮)部の値を統計処理(ばらつき等)した結果を参考として整理・提示すること。
- 現地確認について(大島部長、石渡委員):
- 事務局(規制庁)が、境界設定に用いたボーリングコアについて現地で確認を行う。
- 工学的対処の実施後、掘削した箇所の実際の正常について、委員による現地調査を行う(実施段階は事務的に調整)。
- 学会発表等(大島部長):
- 今回取得・整理したデータや経緯について、学会等で論文化し公表するよう努力すること。
議題2:中国電力(株) 島根原子力発電所3号炉の地震動評価について
技術的な議論の内容
- 3号炉の評価方針: 2号炉設置変更許可(本体許可)の評価結果から変更なし。
- コメント回答①(最新知見):
- 2号炉本体許可以降の最新知見(地震・地震動分野)を調査・整理した結果、過去の説明済み評価に反映が必要となり得る知見は抽出されなかった。
- コメント回答②(地下構造モデル):
- 2号炉許可時に、2号地盤モデルと3号地盤モデルを比較した上で「敷地共通モデル」を設定済み。
- 3号地盤モデルは2号モデルより増幅特性が若干大きいため、物性値は3号モデルの値を使用。
- さらに減衰定数は、観測記録やQc値測定結果を考慮し、2号・3号モデルより大きくなるよう安全側に設定している。
- 微動アレイ観測記録との比較でも妥当性を確認済み。
- 結論:2号炉許可時に設定した敷地共通モデルを3号炉に適用することは妥当。
- 審査資料の充実化(2号炉以降のデータ反映):
- 最新の地震観測データ(~2023年3月):
- 敷地周辺の地震活動、敷地の観測記録、地震発生層の設定に反映。
- 評価結果に変更ないことを確認。
- 和久里山断層の知見(向後ほか2024):
- 2号炉許可時は「推定断層」だったが、3号炉審査では「震源として考慮する活断層(孤立した短い活断層)」に追加。
- 距離減衰式による比較評価(資料2-1 p.129)において、和久里山断層で代表させたが、従来選定されていた新地断層やF3~F5断層による地震動評価を超えるものではなかった。
- 最新の地震観測データ(~2023年3月):
- 基準地震動の策定:
- 震源を特定して策定する地震動:
- 検討用地震:新地断層、F3・F4・F5断層(2号炉から変更なし)。
- 応答スペクトルに基づく評価結果を包絡し、基準地震動Ss-Dを策定。
- 断層モデルを用いた評価結果(敷地に近い新地断層)を重視し、Ss-F1、Ss-F2を策定。
- 震源を特定せず策定する地震動:
- 留萌支庁南部地震(保守性を考慮)からSs-N1を策定。
- 鳥取県西部地震(K-NET大東観測記録)からSs-N2を策定。
- 結論: 3号炉の基準地震動(資料2-1 p.11-12)は、2号炉設置変更許可のものから変更なし。
- 震源を特定して策定する地震動:
- 年超過確率の参照:
- 最新観測データと和久里山断層の知見を反映しハザードを再評価したが、基準地震動の年超過確率(Ss-Dで10⁻⁴~10⁻⁶程度等)は2号炉許可時から変更ないことを確認。
規制庁からの宿題事項(コメント・指示)
- 特になし。(2号炉からの変更がなく、最新知見の反映内容も妥当であるとおおむね確認された。)
- (参考コメント:石渡委員)今後も地震観測を継続し、これまでと異なる方向からの地震波形が観測された場合は、その時点で評価を行うこと。
議題3:中国電力(株) 島根原子力発電所3号炉の基礎地盤及び周辺斜面の安定性評価について
技術的な議論の内容
- 3号炉の評価方針: 2号炉設置変更許可(本体許可)の評価方法(グループ分け、代表施設選定、解析手法等)と同様の方法で実施。
- コメント回答①(最新知見):
- 2号炉本体許可以降の知見(査読論文、報告書等)を調査した結果、地盤分野の評価に直接影響を及ぼし、反映が必要な知見はないことを確認。
- コメント回答②(解析用物性値の適用):
- 2号炉での設定経緯: 2号炉許可時に、2号炉位置周辺および3号炉位置付近も含む敷地内の岩盤試験結果に基づき、敷地全体に適用できる物性値として設定済み。
- 地質の連続性: 1~3号炉の基礎地盤は主として下部頁岩部層が広く連続的に分布しており、岩盤分類も共通。
- 結論: 2号炉許可時に設定した解析用物性値(3号炉調査の試験値も一部採用済み)を3号炉の安定性評価に適用することは妥当。
- 基礎地盤の安定性評価(グループA:原子炉建物):
- 代表施設: 影響要因(シーム分布等)及び勘弁法の滑り安全率比較から、グループAの代表施設として「原子炉建物」を選定。
- 速度層区分: 原子炉建物基礎地盤の評価では、基準地震動策定時(議題2)の3号炉地下構造モデルと整合を図るため、「3号炉の速度層区分」を使用。
- 評価結果(原子炉建物):
- 滑り安全率(ばらつき考慮):1.66(22'断面)、2.53(11'断面)。いずれも基準値1.5を上回る。
- 支持力(最大設置圧):1.33 N/mm²。基準値13.7 N/mm²を下回る。
- 基礎底面の傾斜:31,000分の1。目安値1/2,000を下回る。
- 周辺地盤の変状影響: 評価対象施設は岩盤に支持されており、不当沈下は生じない。
- 地殻変動の影響: 地殻変動+地震動による最大傾斜は10,000分の1。目安値1/2,000を下回る。
- 周辺斜面の安定性評価(グループA:3号炉南側切り取り斜面):
- 代表斜面: 影響要因及び勘弁法の比較から、グループAの代表斜面として「3号炉南側切り取り斜面」(44'断面)を選定。
- 速度層区分: 3号炉南側切り取り斜面の評価では、「2号炉の速度層区分」を使用(と資料に記載)。
- 評価結果(3号炉南側切り取り斜面):
- 滑り安全率(ばらつき考慮):1.43。基準値1.2を上回る。
- ガスタービン発電機建物(2・3号炉共通施設):
- 2号炉許可申請時(評価時)の重量(411 MN)は、3号炉の機器も見込んだ値で評価していたため、今回の評価でも妥当。
規制庁からの宿題事項(コメント・指示)
- 代表施設(原子炉建物)選定の妥当性(大井氏、石渡委員、大島部長):
- 論点: グループAの代表施設選定(資料3-1 p.35)で、施設総重量は原子炉建物が最大だが、解析に用いる「単位奥行きあたり重量」はタービン建物の方が大きい。
- 指摘: 地盤の不確実性や、タービン建物と原子炉建物周辺の地質条件(シーム傾斜)の違いを考慮すると、原子炉建物だけで代表させる説明(補足資料139-140頁)は結果論であり、慎重さに欠ける。
- 対応:
- タービン建物も影響要因③(施設重量)に該当(着色)させること。
- タービン建物についても勘弁法の滑り安全率を算定し、原子炉建物との比較を行うこと。
- 原子炉建物+制御室建物、タービン建物(単体)など、評価対象の整理(資料の再整理)を行い、原子炉建物で代表できることを改めて丁寧に説明すること。
- 速度層区分の使い分け(大井氏、名倉氏):
- 論点: 原子炉建物基礎地盤(3号炉区分使用)と、そのすぐ南側の3号炉南側切り取り斜面(2号炉区分使用)で、速度層区分の使い分けが生じている。
- 指摘: 使い分けの適用範囲、根拠(なぜ斜面は2号炉区分でよいのか)が不明確。3号炉の速度層データ(資料2-1 p.33、資料3-2 p.5)が斜面位置も含んでいるように見え、説明に矛盾がある。
- 対応:
- 2号炉速度層区分と3号炉速度層区分の対応関係・整合性(地層との連続性等)をデータで明確に示すこと。
- その上で、3号炉南側切り取り斜面の評価に2号炉区分を適用する妥当性(あるいは3号炉区分で統一するのか)について、考え方を再整理し説明すること。
- 速度層区分の設定根拠(資料3-1 p.83-84だけでなく、速度構造や物性値の求め方)に関する資料の記載を充実させること。
- 記載の適正化(大井氏、野田氏):
- 代表斜面の選定(資料3-1 p.159)で、2号炉で評価済みの斜面を「44'断面に代表させる」といった記載は不適切。評価済みのものと、今回新たに評価するものとで、評価上の位置づけを整理し記載を適正化すること。
- 2・3号炉共通施設(ガスタービン等)の重量の扱いなど、資料全体で2号炉評価との関係性が明確になるよう水平展開し記載を適正化すること。
- 設工認への申し送り(名倉氏):
- ガスタービン発電機建物の重量は、3号炉の機器も見込んだ値(411 MN) とのことだが、今後設工認段階で詳細設計により重量が確定した際に、許可時(今回)の地盤安定性評価の判断が変わらないことを確認すること。