第1367回原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合(令和7年11月6日)
出典 : https://youtube.com/live/kRPa5pXUqeQ?si=6rNzcQBUk3E17Gz_
議題1:九州電力(株)玄海原子力発電所3号炉及び4号炉の設置変更許可申請(日本海南西部の海域活断層の長期評価(第一版)の反映に伴う変更)の審査について
技術的な議論の内容
- 申請経緯: 地震調査研究推進本部(地震本部)の2022年長期評価を反映し、当初は見直し不要と判断していたが、K-5南断層帯による地震動は継続時間が長い特徴を持つため、新たに基準地震動 Ss-7 として追加する方針に変更し、申請書を一部補正した。
- 設計方針: Ss-7の追加は、基準地震動の数を増やすものであり、耐震評価に用いる荷重の組み合わせ、許容限界、波及的影響等の既許可の耐震設計方針自体に変更はないことを確認した。
- 弾性設計用地震動(Sd-7): 新たな弾性設計用地震動 Sd-7 は、基準地震動 Ss-7 に係数0.5を乗じて設定する。この設定は、従来の弾性設計用地震動(Ss-1に0.5を乗じたもの)の応答スペクトルを概ね包絡すること、発生確率の観点からも保守的であることを確認しており、妥当と判断した。
- 疲労評価(概略評価):
- Ss-7はSs-1(継続時間 約30秒)と応答スペクトルは同等だが、継続時間が約3倍(約100秒)と長くなる特徴がある。
- これにより疲労評価での繰り返し回数が増加するが、既許可評価(一律200回)に対し、継続時間増加比(約3.36倍)を考慮しても、多くの部位で200回以内に収まることを確認した。
- 一部200回を超えた部位も、既設工認の疲労累積係数(UF値)に増加比率を乗じて簡易評価した結果、判定値1.0を下回る見通しを得た。
- 以上から、Ss-7追加による設備変更や補強は不要であり、既許可の設計方針を変更する必要はないと確認した。
- 今後の設工認: Ss-7対応(および津波評価)の設工認申請は、評価対象設備が同一である特定重大事故等対処施設(特重施設)のSs-6対応と合わせ、一つの申請として実施する予定。
規制庁からの宿題事項(コメント・指示)
- 本日説明された内容(Ss-7追加、Sd-7の係数0.5設定、疲労評価の見通し)について、現時点で特段の論点はない。
- 引き続き事実確認を進め、新たな論点があれば審査会合で議論する。
- (地震動とは別途)基準津波の審査の進捗を踏まえ、今後は対津波設計方針の審査会合を行うこととする。
議題2:東京電力(株)柏崎刈羽原子力発電所 第6号機 改良ハフニウムフラットチューブ型制御棒の導入に係る設計及び工事の計画の審査について
技術的な議論の内容
- 申請概要: 柏崎刈羽原子力発電所(KK)6号機において、使用済制御棒の発生量低減のため、長寿命の「改良ハフニウムフラットチューブ型制御棒」を導入する(従来のB4C型に追加)。
- ひび割れ対策:
- 過去にKK-7号機で確認された従来型制御棒のひび(シース上部、タイロッド溶接部上下、タイロッド溶接部)の原因(隙間腐食、表面硬化層、溶け込み不足を起点とするIASCC)に対し、設計改良を行った。
- 対策は、隙間部の腐食環境改善(形状変更、冷却孔追加)、表面硬化層の除去(開先形状変更)、溶け込み不足防止(溶接条件・位置の変更)など、ひびの起点を潰すアプローチである。
- 有効性確認: 改良後の制御棒本体の照射試験は実施していない。代わりに、模擬試験体による要素試験や、ひびが発生しなかった従来型制御棒の照射後試験結果等をもって、対策の有効性を確認している。
- 耐震性(第5条): 改良仕様は従来仕様と質量や剛性が同等であり、従来仕様の試験結果(加振挿入試験)に基づき、基準地震動Ssに対し挿入性が確保されることを確認した。
- 制御棒機能(第36条): 制御棒価値は従来仕様と同等であり、停止余裕等の炉心特性は基準を満足する。ひび割れ対策の妥当性については、本条第5項(化学的性質)への適合性として説明する。
- 運用方針:
- 従来型の取替基準(6.0×10^25 n/cm^2)に対し、改良型は過去のひび発生実績(4.0×10^25 n/cm^2超)を踏まえ、導入当初の取替基準は4.0×10^25 n/cm^2とする。
- その後、外観点検の結果を踏まえ、段階的に(6.0まで)取替基準の見直しを行いたい。
- ひび発生時の想定: 仮に改良型にひびが発生した場合でも、構造は従来型と大きく変わらないため、制御棒の機能(挿入性、制御材保持)は維持できると考えている。
規制庁からの宿題事項(コメント・指示)
- 対象条文の適合性の詳細説明:
- 次回会合で、対象条文(耐震、制御棒機能など)への適合性について詳細に説明すること。
- その際、KK-7のひび割れ対策(設計改良)が、どの条文の適合性として整理・説明されるのかを明確にすること。
- 設計改良の網羅性・妥当性の説明:
- 今回の設計改良において、国内外の最新知見(例:シュラウドのひび事例など)をいかに網羅的に調査・検討し、対策が十分であると判断したのか、具体的に説明すること。(第36条適合性の中で)
- 健全性の検証方法の説明:
- 先行照射試験を行わない中、改良後の制御棒の健全性をどう検証・担保するのか、他の型式(板型等)の照射実績や知見、および諸外国での照射試験の実施状況も併せて調査し、説明すること。(第36条適合性の中で)
- 運用方針の資料化:
- 今後の運用方針(導入初期の取替基準を4.0×10^25 n/cm^2とし、点検結果に基づき段階的に見直す方針)について、資料化して次回説明すること。
- ひび発生時の対応方針の資料化:
- 万が一、改良型制御棒においてひびが確認された場合の対応(点検、使用可否判断、交換等)について、方針を整理し資料で説明すること。
議題3:日本原子力発電(株)東海第二発電所 圧縮減容装置の設置に係る設計及び工事の計画の審査について
技術的な議論の内容
- 申請概要: 東海第二発電所の不燃性雑固体廃棄物(ドラム缶)を約1/3に減容するため、固体廃棄物作業建屋に「圧縮減容装置」及び「圧縮減容処理エリアモニター」を設置する。
- 設備・設計:
- ドラム缶ごと圧縮し、固形化(モルタル充填)する。
- 設置場所は固体廃棄物作業建屋1階で、耐震クラスはCクラス。
- 技術基準規則第39条(廃棄物処理設備)の「散逸しがたい設計」として、装置にフードを設置する(設置許可時の方針から変更なし)。
- フードの材質は難燃性のポリカーボネート(透明)で、上部にスライド式ゲートを設け、クレーンでドラム缶を投入する設計である。
- 審査の進め方(事業者の認識):
- 本装置の使用開始は、特重施設等の使用前確認後が前提である。
- 固体廃棄物貯蔵庫の容量は2028年度まで余裕があり、緊急性は高くない。
- 現在、東海第二は特重施設(防潮堤など)や有毒ガス防護など、複数の新規制基準対応案件の審査に注力している。
- 本案件は、それら優先度の高い案件の審査状況に応じて進めてほしい。
- 審査対応体制: 優先案件(土木部門など)と本案件(廃棄物処理部門)とで、実務担当者は重複しておらず、審査対応リソースは確保可能である。
規制庁からの宿題事項(コメント・指示)
- 補足説明資料の充実(フードの詳細設計):
- 今回口頭で説明したフードの詳細設計(材質:難燃性ポリカーボネート、構造:スライド式ゲート、作業手順)について、補足説明資料に反映し、記載を充実させること。
- (まとめ)提出された申請書・審査資料の確認を進め、論点があれば審査会合で確認する。