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第40回原子力規制委員会(令和7年11月12日)

出典 : https://youtube.com/live/vHgEryMUcGc?si=oyk9XZGz0go3N0QV

議題1:建替原子炉の設計に関する事業者との実務レベルの技術的意見交換会での意見聴取結果(中間報告)

技術的な議論の内容(事業者提案の概要)

  • 背景:
    • 事業者(アテナ原子力エネルギー協議会)から、SRZ1200を題材とした規制上の論点について意見交換会を実施中。
    • 今回は、提示された3つの論点のうち、以下の2点についての中間報告が行われた。
      • 論点1: 常設設備を基本とした重大事故等対応(SA対応)
      • 論点2: 格納容器破損防止対策(CVB)と特定重大事故等対処施設(特重施設)の機能統合
  • SRZ1200の設計コンセプトと主な特徴:
    • 設計段階からSA対策を考慮できるため、従来の追加的安全対策(可搬型SA設備など)に過度に依存せず、設計基準事象(DB)対策の徹底とSA対策の最適化(例:パッシブ安全設備の導入)により、合理的で安全性の高い原子炉を目指す。
    • 主な特徴として、安全系設備の3系列化と徹底した区画分離、電源の多様化、ISLOCA(インターフェイスシステムLOCA)対策の強化、再循環切り替え操作の不要化、格納容器(CV)への大型航空機衝突(APC)対策の付与などが説明された。
  • 論点1:常設設備を基本としたSA対応
    • 事業者提案: 既設炉(季節炉)では柔軟性のある可搬型設備がSA対応の基本であったが、SRZ1200では信頼性や対応時間の観点で優れる常設設備(1セット)を基本としたい。
    • 可搬型設備の位置づけ: 大規模損壊対応として整備するが、規制上の担保は取らず「自主設備」として扱いたい。ただし、機能維持のための保全やアクセスルート確保等は実施する。
    • 論点: 現行の規制解釈(可搬型が基本)に対し、「常設設備による措置」が「同等以上の効果を有する」と判断できるか、また可搬型設備を「自主設備」とすることの妥当性。
  • 論点2:CVBと特重施設の機能統合
    • 事業者提案: 既設炉では特重施設を原子炉建屋から隔離・離隔していた。SRZ1200では、DB設備の3系統化や原子炉建屋自体へのAPC(大型航空機衝突)対策の実施により、CVB対策と特重施設の機能統合を図りたい。
    • 信頼性確保: 建屋のAPC体制を強化することで、DB/SA設備もAPC時に使用できる可能性を高める。これにより、既設炉の特重施設に求められていた信頼性確保策(一部機器の機能喪失想定)は実施しない方針。
    • フィルターベント(FV): 特重事象への対応として、フィルターベントではなく「再循環ユニット(基層部冷却)」を対APC化する。フィルターベントはバックアップとして設置(自主設備)する方針。
    • 論点: 現行解釈(特重に多様性・独立性・位置的分散を要求)に対し、機能統合が「同等以上の効果」を有するか。また、フィルターベントの自主設備化の妥当性。

規制庁(委員)からのコメント・指示

  • 全般:
    • SRZ1200の設計は多くの点で安全性が向上していると認識。
    • しかし、提案されている「自主設備化」などを保安水準としてどこまで許容できるかは、委員会レベルで慎重に判断する必要がある。
  • 可搬型設備・フィルターベントの「自主設備化」について:
    • (杉山委員、山中委員長、伴委員)可搬型設備やフィルターベントは、福島第一原子力発電所事故の教訓(想定外事象への対応、ベントの失敗)に基づき、規制として要求している重要な設備である。
    • これらを「自主設備」(規制の担保がない設備)とすることは、簡単には認め難い。
    • (神田委員)一方で、少子化による将来の人員確保の観点から、SA対応を常設設備主体とすることは合理的側面もある。ただし、想定外事象には常設と可搬型の異なるタイプの設備が機能することが重要。
    • (杉山委員)可搬型が必要だとしても、既設炉と全く同じセット数を要求するものではなく、常設設備の信頼性とのバランスで必要性は変わり得る。
  • 設計思想とリスク評価について:
    • (山中委員長)「原子炉の設計思想」と「リスク分析(安全性分析)」は分けて考えるべき。深層防護の第3層(DB対策)が強化されたから第4層(SA対策)は(自主設備で)良い、というような議論はすべきではない。
    • (山中委員長)リスク分析は定量的に全てを評価できるわけではない。福島の教訓から、決定論的に必要と判断すべきもの(可搬型、フィルターベントなど)がある。
  • 特重施設の詳細確認:
    • (山中委員長)既設炉の特重施設は電源・水源も独自のAPC対策区画に設置している。今回の提案がその基準に合致しているか、詳細(耐震性の考え方を含む)を確認する必要がある。
  • 今後の進め方(事務局への指示):
    • (山中委員長)引き続き意見交換会で事実確認(特に未聴取の論点3:コアキャッチャー)を進めること。
    • (山中委員長)本日委員から出された疑義(特に自主設備化の問題)も踏まえ、事実確認を全て聞き取った上で、規制としての考え方を議論するため、委員会に再度報告すること。年度内を目途に整理して報告すること。

議題2:原子力規制委員会の所管する許認可申請等及び国家資格の手続のデジタル化等に伴う関係規則の改正案及び意見公募の実施

技術的な議論の内容(改正案の概要)

  • 1. 許認可申請のデジタル化:
    • 背景: 現状、特重施設情報などの機密性の高い情報を含む申請は、セキュリティの観点から電子申請(インターネット回線)が困難で、書面申請となっている。
    • 改正方針:
      1. 機密性の高い情報を「電子申請ができない例外」として規則に位置づけ、機密情報以外は電子申請、機密情報のみ別提出(ハイブリッド申請)を可能にする。
      2. 例外とされた機密性の高い情報については、書面ではなくDVDなどの「電子的記録媒体」での提出を可能にし、デジタル化を促進する。
  • 2. 国家資格(核燃料取扱主任者など)のデジタル化:
    • 背景: デジタル庁が推進する国家資格のデジタル化(マイナポータル利用)に対応するため、規則を改正する。
    • 改正方針: 現状、受験要件確認で「本籍記載(番地まで)の住民票」を求めているが、デジタル庁のシステムが「本籍地(市町村まで)」の情報しか取得できないため、これに合わせて規則を改正する。
  • 3. その他:
    • マイナンバー利用に伴い、申込書の様式から「学歴」等の記載を削除する。
    • 試験の一部免除要件(例:第一種放射線取扱主任者合格証の写し)の提出を明確化する。
  • 今後: 委員会で了承後、1ヶ月程度の意見公募(パブコメ)を実施する。

規制庁(委員)からのコメント・指示

  • 改正案と意見公募の実施を了承。
  • 提出媒体について:
    • (杉山委員、伴委員、山岡委員)電子的記録媒体として「DVD」が例示されているが、DVDはすでに旧式の媒体である。将来的な技術の進展に対応できるよう、媒体を限定せず柔軟な規定と運用を検討すること。
  • 申請書類の「正」の管理:
    • (杉山委員)ハイブリッド申請(電子申請+媒体)の場合、どちらが「正」の書類となるのか。媒体自体を長期保管するのは(読み取り装置の維持を含め)困難。サーバーにコピーしたものを「正」として管理すべきではないか。
    • (→規制庁側:指摘の通り。サーバー保管のものが「正」となるよう調整する。)
  • 国家資格の電子化(将来):
    • (伴委員、山中委員長)受験申請だけでなく、免状(合格証)自体も電子化(例:スマホで提示)できるよう、将来的な検討を期待する。
    • (→規制庁側(人材育成センター):導入するシステムは、将来的にはマイナポータル等で免状を確認できることも視野に入れたものと聞いている。)

議題3:令和7年度第2四半期における専決処理(報告)

技術的な議論の内容(報告概要)

  • 令和7年度第2四半期における専決処理は合計82件(原子炉等規制法関係:70件、RI法関係:12件)であった。
  • 件数はおおむね定常通りだが、割合として核物質防護関係が多かった。
  • 主な案件として、川内原子力発電所2号炉の40年超運転に係る長期施設管理計画の認可や、福島第一原子力発電所に係る実施計画の変更認可(CV内の不活性雰囲気維持に関する運転上の制限(RCO)見直し、汚染水浄化設備の配管追設など)が報告された。

規制庁(委員)からのコメント・指示

  • 特になし(報告聴取)。

議題4:長崎委員の出張報告

技術的な議論の内容(報告概要)

  • 長崎委員がIAEAの第45回核セキュリティ諮問委員会(アドセック)に出席したことについて報告があった。
  • IAEAの核セキュリティ活動(特にコンピュータセキュリティ、小型炉、輸送)について議論が行われた。

規制庁(委員)からのコメント・指示

  • 特になし(報告聴取)。

その他:原子力施設等におけるトピックス

技術的な議論の内容(事象概要)

  • 事象: 株式会社グローバルニュークリアフュエルジャパン(GNF-J)において、11月5日に第2加工棟の搬送装置制御盤から発煙。
  • 原因:
    1. 10月1日に当該装置の遮断機(ブレーカー)を交換した際、同一タイプでなかったため、遠隔自動遮断用部品(ソレノイドスイッチ)が遮断機に収まらず、盤内に放置された。
    2. 交換作業員は、ソレノイドを収納しない場合の影響(通電し続ける可能性)を認識していなかった。
    3. 11月5日の点検時、センサーが反応し、本来なら遮断機が落ちて給電が停止するはずのソレノイドに継続して電圧がかかり、加熱・発煙した。
  • 事業者対応:
    • 社長指示により、管理区域内の作業を全面的に停止・延期。
    • 制御盤・分電盤など火災リスクのある設備の点検を指示。
    • (7月にも別件の火災が発生しており)組織要因も含めた根本原因分析を行う予定。

規制庁(委員)からのコメント・指示

  • (杉山委員)管理区域内の電気盤の修理・変更に関する組織的な管理(作業管理)が緩いのではないか。
  • (杉山委員)事象単体でなく、作業管理の在り方について事業者に問いかけているか確認を指示。
  • (規制庁側)現在、事情聴取中。法令報告対象かどうかも含め確認し、日常検査等で適切に確認・指導する。
  • (杉山委員)引き続き事実確認を継続すること。