第6回建替原子炉の設計に関する事業者との実務レベルの技術的意見交換会(令和7年11月18日)
出典 : https://youtube.com/live/Ik50TNgT4Xs?si=X4HC2dKNUSmWvZYZ
会議内容の概要
- 溶融炉心冷却対策への新技術導入の議論: 建替(リプレース)原子炉の設計に関する主要論点の一つとして、溶融炉心冷却対策への新技術導入、特に「ドライ型コアキャッチャ」の導入とその評価基準について、技術的な意見交換が行われました。
- コアキャッチャの評価基準の明確化: 規制庁側から、コアキャッチャの成立性評価において、溶融炉心(コアデブリ)の分散・冷却を確実に実施するための設計要件、特にデブリ受け皿へのデブリ均一散布(均一装荷)の必要性、およびデブリ冷却後の長期的な熱除去の担保について、明確な説明が求められました。
- デブリ装荷時の挙動解析の課題: 事業者(アテナ:次世代軽水炉開発計画推進のための事業者連合)は、デブリ受け皿への装荷時のデブリの挙動(流動、広がり)の解析手法について説明しましたが、規制庁は、解析に用いるパラメータ(デブリの物性値など)の不確かさや、実機設計への適用性について、更なる詳細な検討と説明を求めました。
- デブリ冷却後の熱除去の考え方: コアキャッチャに捕獲・冷却されたデブリの長期的な熱除去について、受動的(パッシブ)な冷却機能のみで安定的に継続できる設計とするよう、方針の明確化が求められました。
議題1:溶融炉心対策への新技術導入(コアキャッチャの導入)に関する論点(論点③)について
技術的な議論の内容
- コアキャッチャの導入目的と全体像:
- 溶融炉心(コアデブリ)を原子炉圧力容器外で確実に受け止め、冷却・固化させるための新技術として、「ドライ型コアキャッチャ」の導入が提案された。
- これは、重大事故等対策として、セメント質材料をデブリ受け皿に配置し、水なしでデブリを受け止め、冷却する設計である。
- デブリの分散(広がり)とデブリの冷却の2段階で機能が発揮される。
- デブリの均一装荷と分散に関する議論:
- 規制庁は、コアキャッチャの冷却成立性を担保するためには、デブリ受け皿へのデブリの均一装荷(均一な広がり)が非常に重要であると指摘。
- 事業者は、デブリの流動・分散の評価として、数値解析コードを用いた検討結果を提示した。
- 規制庁は、解析におけるデブリの物性値(粘性、温度、密度など)や、炉内でのデブリの放出形態(デブリジェト)に関する仮定の不確かさについて、十分に検討し、その影響を評価するよう求めた。
- デブリ受け皿にデブリを誘導する流路部(コリウム誘導管)がデブリによって閉塞しないこと、また、セメント質材料(サクリフィシャル・マテリアル)の溶融・ガスの発生挙動がデブリの広がりを阻害しないことの確実性についても質疑応答が行われた。
- デブリ冷却の成立性に関する議論:
- コアキャッチャにおける冷却は、デブリが水と接触せずに、セメント質材料の分解熱や外部冷却によって行われるというドライ型特有の成立性の評価が必要。
- 冷却成立性の確認項目として、デブリ受け皿の構造健全性(デブリの熱による損傷がないこと)が重要であると指摘された。
- 長期的な熱除去の設計方針:
- デブリ冷却後の長期安定冷却について、受動的(パッシブ)な機能により継続して熱除去を担保する設計とすること。
- 冷却媒体(水など)の供給が必要とならない(あるいは極めて長期間不要な)システムを構築することが、建替炉の設計思想として望ましいとの見解が示された。
規制庁からの宿題事項(コメント・指示)
- 設計要件の明確化と説明:
- コアキャッチャの成立性評価の前提となる、デブリ受け皿へのデブリの均一装荷が、実機設計においてどのように担保されるのか、定量的な評価と設計上の要件を明確に説明すること。
- 特に、デブリの流動・分散に関する解析の不確かさがデブリの広がりと冷却に及ぼす影響を詳細に評価し、その結果が設計要件を満足することを示すこと。
- 長期安定冷却の確立:
- デブリ冷却後の長期熱除去について、受動的な冷却機能のみで安定的に継続できる設計とする方針を明確化し、その具体的な系統構成と機能の維持を説明すること。
- 評価資料の整理:
- デブリの広がり、冷却、長期熱除去といった各機能の評価の切り分けを明確にし、それぞれの成立性を示すためのロジックと評価結果を整理して提出すること。