第41回原子力規制委員会(令和7年11月19日)
出典 : https://youtube.com/live/m5UK6XATGz8?si=neyMiBsW16qAqZdZ
会議内容の概要
- 令和7年度第2四半期の原子力規制検査において、新検査制度(令和2年度開始)導入以来初めて検査指摘事項がゼロという結果が報告されました。
- 検査継続案件は女川原子力発電所2号機の火災防護に関する系統分離対策の評価の疑義の1件のみでした。
- 東京電力福島第一原子力発電所(1F)は、再発防止対策により1年以上大きなトラブルのない状態が継続していることが報告されました。
- 令和7年度業務計画の変更が決定され、年次報告の誤り防止策、手数料徴収状況の確認対応、核物質防護事案を踏まえた情報発信の改善が追加されました。
- 実用発電用原子炉の許認可制度等の見直しに関する委員間討議が開始され、許認可制度と検査制度の一体的な見直しに向け、年内に具体案のイメージを作成する方針が示されました。
議題1:令和7年度第2四半期の原子力規制検査等の結果 報告
技術的な議論の内容
- 実用炉の原子力規制検査(原子力施設安全および放射線安全関係)実施結果
- 検査指摘事項は該当なしであり、これは新検査制度(令和2年度から開始)導入以来初の事例である。
- 検査継続案件は1件。女川原子力発電所2号機における火災防護の対象機器等に対する系統分離対策(けいとうぶんりたいさく)で、不十分な評価がなされているのではないかという疑いがあるもので、現在も検査を継続している。
- 令和7年度第1四半期の検査継続案件であった美浜発電所(みはまはつでんしょ)3号機のLCO逸脱(運転上の制限からの逸脱)案件は、原子力安全には影響を及ぼすものではないと判断され、検査指摘事項には該当しないとされた(構成の誤りにより炉外核計装の指示値が低下したもの)。
- 安全実績指標(PI:Performance Indicator)
- 東京電力柏崎刈羽原子力発電所7号機の重大事故等対処設備のLCO逸脱のPIが該当し、重大事故等対処・大規模損壊等にかかる監視領域のPIは白の色のままである。
- 当該4件のLCO逸脱については、既に追加検査を終了しており、対応区分は1または2に変更済みである。
- 柏崎刈羽7号機の当該PIを除き、その他の実用発電用原子炉施設のPIはすべて緑であった。
- 東京電力福島第一原子力発電所(1F)の計画検査
- 検査指摘事項はなしであった。
- 過去のトラブル発生を受け、昨年度の1F検討会での再発防止対策や現場検査官のチェックにより、1年以上大きなトラブルのない状態が続いている。ALPS処理水(多核種除去設備等処理水)の放出も順調である。
規制庁からの宿題事項(コメント・指示)
- PI制度に関する情報発信の改善:
- PIの白判定が追加検査に機械的に流れるかのような誤解を招く報道があるため、白判定後の追加検査の要否は委員会の判断が必要なステップであることを、分かりやすい資料においても明確に伝えるよう、表現の改善を関係課と協議の上、実施すること。
議題2:令和7年度原子力規制委員会年度業務計画の変更決定
技術的な議論の内容
- 年度業務計画の変更経緯と目的
- 令和7年度上期マネジメント委員会での評価を踏まえ、状況の変化に対応するため年度業務計画を変更・追加する。
- 変更・追加された計画の項目
- 年次報告の誤り防止: 誤りを防止するため、作成過程の改善とともに構成内容をより分かりやすいものに見直す(第3期中期目標「法令等に基づいて実施すべき業務を着実に実施する」施策目標に追加)。
- 手数料徴収状況の確認: 上期に手数料の徴収漏れがあったことを踏まえ、電子申請システムにおいて手数料の徴収状況の確認ができるように対応する。
- 核物質防護事案への対応: 4月26日に発生した核物質防護事案(かくぶっしつぼうごじあん)を踏まえ、初動対応における対外的な情報発信等に係る改善を図る(第3期中期目標「事故トラブル等に対して迅速かつ的確な初動対応を確実に実施する」施策目標に追加)。
- マネジメントレビューでの評価に関する見解
- 年度途中で追加された計画についても、年度当初からの計画と同様に、年度終わる前の業務の進捗状況を見て評価・判定を行うため、扱いを変えるものではない。
- 評価は、計画の達成度に加え、重要性や困難度(ローマ数字でI~III)も加味して実施する。
規制庁からの宿題事項(コメント・指示)
- 年次報告の分かりやすさの評価基準の検討:
- 構成内容をより分かりやすいものにするという計画について、具体的にどのように評価するのか(第三者評価の導入や構成の分かりやすさを評価の視点に追加するなど)を検討し、具体的に説明すること。
- 電子申請システムにおける担当者への配慮:
- 手数料の徴収対象・非対象の区別が、担当者にとって分かりやすくなるような対応を検討すること。
議題3:手数料徴収実績の調査結果の報告
技術的な議論の内容
- 手数料の徴収状況確認のオンライン化
- 電子申請システム(政府のe-Gov(イーガブ)を活用)により、申請の種類に応じて手数料が自動的に決まるパターンと、規制庁側で判断して手数料を決めるパターンの双方に対応する。
- システム導入により、申請者と規制庁の双方が、通知や払い込みの状況を一覧で確認できるようになり、担当者が確実に手続きを進められるようになる。
- 委員からは、手数料の未徴収・過徴収は重大な問題であり、オンライン化は有効な対処であるとの認識が示された.
規制庁からの宿題事項(コメント・指示)
- 特になし。
議題4:実用発電用原子炉の許認可制度等に関する見直し (第1回) 委員間討議
技術的な議論の内容
- 見直しの必要性
- 新規制基準適合性審査が概ね終了した段階で、許認可制度と検査制度を一体として見直す必要がある。
- 現行制度では、書類主義の傾向が見られ、審査において大量の書類(例えば、新規制基準適合審査では耐震計算説明書だけで5cmファイル71冊など)の確認に多大なリソースを割いている。
- 工事計画認可(設工認) の「工事開始30日前届出」の制度も、実態としては審査を行っている。
- 安全上重要度のクラス1・2の機器のその後の改造が認可の対象外となるなど、許認可の対象範囲について制度の目的と実態にずれが生じている可能性がある.
- 今後の進め方
- 年内を目途に、制度見直し案の具体案のイメージを作成し、改めて委員会に報告して討議を行う。
- 事業者からの意見聴取は原則公開で行う予定である。
規制庁からの宿題事項(コメント・指示)
- 許可・工事計画認可(設工認)の対象範囲の見直しに関して、現場で経験を積んだ担当者の意見を取り入れ、どのような点が課題であるか提案してもらい、議論を進めていくこと。
- 安全審査と検査がシームレスにつながるように、また事業者とのコミュニケーションを密にして、より良い見直し案を構築していくこと。