第14回緊急時活動レベルの見直し等への対応に係る会合(令和7年11月19日)
出典 : https://youtube.com/live/5HSRD8pjNt0?si=Q0ReRuiYwZN-pNJn
会議内容の概要
- 緊急時活動レベル(EAL) の策定経緯に関して、日本、米国、および国際原子力機関(IAEA) の基準との比較整理が行われました。
- 我が国のEALが、米国MEI(重大な事象、Major Event Initiation)やIAEAと比較して、原子炉の状態に焦点を当てているのに対し、米国とIAEAの基準は放射性物質の放出経路の観点も重視しているという相違点が確認されました。
- 特に、敷地境界防護の観点で、放射性物質の放出を伴わない炉心損傷の可能性が高まった段階で避難準備を行うという、我が国独自の考え方の必要性が議論されました。
- 事務局は、EALの判断の確実性と早期の意思決定の必要性を両立させるため、判断基準の明確化と発報時間の検討を継続していく方針を示しました。
- 次回の会合では、屋内退避の解除に関するオンサイト側(原子力施設内)の判断基準について議論される予定です。
議題1:我が国のEALの考え方等の整理について
技術的な議論の内容
- EAL(緊急時活動レベル)の策定経緯と国際比較
- 本会合では、我が国の緊急時活動レベル(EAL)の策定経緯を、IAEAや米国MEI(Major Event Initiation:重大な事象)のものと比較整理した。
- EALは、原子力災害対策特別措置法(原災法)に基づき、防護措置(避難、屋内退避など)の発動の判断基準として設けられている。
- 我が国のEALの特徴: EALの区分(警戒事態、特定事象、施設敷地緊急事態、全面緊急事態)は、主に炉心損傷の可能性の高まりや、それに伴う放出経路の有無など、原子炉の状態に焦点を当てて設定されている。
- 米国・IAEAのEALの特徴: 我が国と比較して、放射性物質の放出経路の観点や、敷地境界防護(オフサイト)の観点をより重視した指標が含まれている。
- 我が国独自の考え方の検討(敷地境界防護)
- 我が国のEALでは、特定事象の段階(原子炉の冷却機能の一部喪失や炉心損傷に至る可能性が高まった段階)で避難準備情報を発報する基準が含まれている。これは、敷地境界外への放射性物質の放出を伴わない状態でも、炉心損傷の可能性が高まったら避難準備を行うという、我が国独自の判断基準の必要性に基づいている 。
- 米国やIAEAのEALは、放射性物質の放出が始まった、あるいは切迫した状況で発動される傾向があるため、我が国の特定事象のレベルは、それらの基準よりも早期の段階で発動される可能性がある。
- 判断基準の確実性と早期意思決定の両立
- EALを発動する際は、判断の確実性を確保しつつ、住民避難等の早期の意思決定が必要である。
- EALの判断基準が曖昧であると、発報の遅延や誤った判断につながるリスクがある。
- 我が国のEALが、計装のパラメータを指標としているのに対し、米国MEI基準は、炉心損傷の可能性の判断に計装以外の要素も加味している点が指摘された。
- 今後の検討の方向性
- 炉心損傷の判断基準の明確化や、発報の時間(どの段階でどれくらいの時間をかけて発報するか)について、引き続き検討が必要である。
規制庁からの宿題事項(コメント・指示)
- EAL発動の判断基準の明確化と発報時間の検討:
- 判断の確実性と早期の意思決定の必要性を両立させるため、EALの判断基準の明確化と、各EALレベルにおける発報に必要な時間の見込みについて、事務局で引き続き検討を進めること。
- 今後の会合の論点:
- 次回の会合では、屋内退避の解除に関するオフサイト側の取りまとめを踏まえ、オンサイト側(原子力施設側)の判断基準となり得るものについて議論を行う予定である。