第1371回原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合(令和7年11月21日)
出典 : https://youtube.com/live/DKfrqcJRyIU?si=4AriX5KTlYxb6K9H
会議内容の概要
- 北陸電力は、令和6年能登半島地震を受けて、志賀原子力発電所2号炉敷地周辺の富来川南岸断層について、震源断層としての活動性や断層長への影響を再評価した。
- 富来川南岸断層は、InSAR解析、地表変状の詳細確認、地震観測等の総合評価の結果、震源断層としては活動しておらず、活動性評価への影響はないと結論づけられた。
- 規制庁は、富来川南岸断層の傾斜方向の根拠や、その他の文献断層を非活動的と評価する根拠の適切性について、事業者に対しデータの再検討や科学的根拠の明確化を求めた。
- 資料構成について、能登半島地震の知見に関する確認事項を、審査の「本筋」である基準適合性評価から切り離し、資料構成を再整理するよう指示があった。
- 次回の審査会合において、基準地震動・基準津波の策定に向けた詳細なスケジュールを説明するよう指示された。
議題1:北陸電力株式会社 志賀原子力発電所2号炉の敷地周辺の地質・地質構造(敷地周辺陸域の断層の評価)
技術的な議論の内容
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富来川南岸断層の活動性評価への影響確認
- 背景と知見の整理:
- 富来川南岸断層は、地震発生前、後期更新世以降の活動が否定できない断層として長さ約9km区間と評価されていた。
- 地震後、研究者から、断層周辺の地表変状は断層活動によるものであり、震源断層との同時活動の可能性や、断層が海域へ連続する可能性が指摘された。
- 事業者による追加調査と評価(観点①:震源断層としての活動の有無):
- InSAR解析・航空レーザー計測: 断層を挟んで系統的に南東側が隆起する傾向は認められず、断層の活動を示唆する変位は認められない。
- 地表変状の詳細確認: 地表変状は系統的でなく、連続性に乏しく、主に地盤の液状化に伴う側方流動によるものであり、断層の活動ではないと判断した。
- 反射法地震探査・ボーリング調査: 地表変状の地下の地層に変位・変形は認められず、コア全体に断層面は認められない。
- 地震観測: 断層の地下深部に対応する震源の配列(余震分布)は認められず、震源断層として活動した事実は認められないと評価した。
- 事業者による追加調査と評価(観点②:南西端の評価への影響):
- 隆起量の調査: 海岸線沿いの潮間帯生物の分布標高や航空レーザー計測の結果、地震による隆起量の不連続は認められない。
- 海域延長部(浅海域)の調査: 海域の航空レーザー計測データでも、断層を挟んで変位・変形は認められない。
- 総合評価: 断層の評価長さを超えて連続することを示唆する状況は認められず、当初評価した断層長さに影響はないと評価した。
- 背景と知見の整理:
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その他の陸域断層の活動性評価
- 田尻川断層等の文献断層のリニアメントについて、事業者は、詳細な地形データや地質調査結果に基づき、リニアメントの位置に断層がないことや、地形の屈曲が難質な岩石分布によるものであることを示し、活動性を否定する評価を説明した。
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断層モデルの設定と連動評価
- 断層モデル設定のフロー図について、地震調査委員会の長期評価に準拠し、「同時活動する可能性がある」等の表現を「1つの基底断層として設定する」といった表現に修正した。
- 連動評価の判断は、フローチャートのような機械的な判断ではなく、総合的な判断が必要であるとの認識が示された。
- 眉丈山第二断層と能登島半の浦断層帯の連動評価:近接していることから同時活動の可能性が否定できず、主断層・主断層の関係として連動を考慮し、約39km区間を一つの基底断層として評価した。
規制庁からの宿題事項(コメント・指示)
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富来川南岸断層の傾斜方向の根拠の明確化
- 断層を西傾斜とする根拠が、間接的な証拠に留まり不十分であるため、データ再検討により西傾斜か東傾斜かを再度検討すること。
- 追加調査を行う場合は、西傾斜であることを直接的に証明するデータ取得など、目的に応じた適切な手法を選定し、結果を示すこと。
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文献断層の活動性評価根拠の再整理
- 文献断層や判読リニアメントを非活動的と評価する場合、その否定の根拠を以下の点を含めて科学的な根拠を持って詳細に整理し、不整合(非活動性)な評価の是非を改めて検討すること。
- 文献断層・リニアメントと地質境界の関係。
- 地形的・地質的な考察の深化。
- 敷地への影響を判断する上で、調査の必要性の有無も含め、効率的な審査に資するよう検討を進めること。
- 文献断層や判読リニアメントを非活動的と評価する場合、その否定の根拠を以下の点を含めて科学的な根拠を持って詳細に整理し、不整合(非活動性)な評価の是非を改めて検討すること。
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資料構成の見直し
- 能登半島地震の知見に関する確認事項(富来川南岸断層の再評価など)は、本来の基準適合性審査の「本筋」とは異なる補足的な内容であるため、資料(敷地周辺陸域の断層の評価)の構成を再整理し、資料の位置づけを明確にすること。
- 補足説明資料や参考資料との役割分担を含め、資料全体を再構築すること。
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次回の審査会合におけるスケジュール説明
- 次回の審査会合において、基準地震動および基準津波の策定に向けた今後のスケジュールについて、各審査項目での議論内容を細かく設定し、詳細に説明すること。