コンテンツにスキップ

第3回安全研究及び研究開発に関する原子力事業者との技術的な意見交換全体会合(令和7年11月25日)

出典 : https://youtube.com/live/foRbWOpEj6w?si=R5BUrHoR6LX7ZIl7

会議内容の概要

  • 開催日時・趣旨: 2025年11月25日、原子力規制庁(NRA)と原子力事業者(アテナ、電力各社、JAEA、電中研)との間で、安全研究および研究開発に関する第3回全体会合が開催された。
  • 主要テーマの進捗: 「リスク情報の活用(HRA、地震PRA)」と「経年劣化(PFM、照射脆化、SCC)」の2つの個別テーマについて、専門家間での意見交換の進捗が報告された。
  • リスク情報活用: HRA(人間信頼性解析)における評価手法の違いの共有や、地震PRAにおける機器損傷の相関の取扱いについて議論が進められている。次回は事業者側からの研究状況紹介を予定。
  • 経年劣化(PFM): 原子炉圧力容器の検査合理化(被ばく低減)に向けた確率論的破壊力学(PFM)の実用化に関し、規制庁提示の「確認ポイント案」を基に、破壊靭性の不確実さやコードのV&V(妥当性確認)について具体的な議論が進行中であり、協業が順調であることが確認された。
  • 運営の改善: 意見交換のプロセスについて振り返りが行われ、資料作成の負担軽減(完成度より論点共有を優先)、開催頻度の柔軟性、および新規テーマの探索について合意された。

議題1:各個別テーマ会合の進捗報告及び意見交換(リスク情報活用)

技術的な議論の内容 * 人間信頼性解析(HRA): * 規制庁基盤グループより、HRA研究の目的と検討状況(「PHOENIX」手法を用いた改良・高度化など)が紹介された。 * 規制庁と事業者側で検討している手法に違いがあるため、解析結果の比較を通じてその違いを共有し、相互理解を深める方向性が確認された。 * デジタル制御機器の操作など、最新技術を踏まえた評価上の課題について意見交換を行った。 * 地震PRA(確率論的リスク評価): * 規制庁より、機器損傷の相関(Correlation)を考慮した評価手法の研究現状、提案手法、解析例が紹介された。 * 建屋および機器のフラジリティ評価、不確実さの評価が優先課題として挙げられている。 * 地震という不確実性の高い事象に対し、共通の課題特定や評価手法の高度化に向けた議論が行われた。 * コミュニケーションツール: * OECD/NEAで検討中のコミュニケーションツールの試運用を実施。資料の早期共有や論点明確化に効果があった一方、資料だけでは意図が伝わりにくい点などの改善点も挙げられた。

規制庁からの宿題事項・今後の方針 * 事業者側の状況提示: 次回以降、事業者(産業界)側の地震PRA関連の研究・検討状況を紹介し、意見交換を継続する。 * 共通課題の探索: 実務(検査や設計)から出てくる課題と研究テーマのリンケージを意識しつつ、規制の結論に直結しすぎない範囲で、共通して取り組むべき研究課題や、リソース配分の最適化を模索する。


議題2:各個別テーマ会合の進捗報告及び意見交換(経年劣化)

技術的な議論の内容 * 確率論的破壊力学(PFM)の実用化: * 原子炉圧力容器の検査頻度見直し(10年ごとの全数検査からの合理化・被ばく低減)に向け、PFMを用いた評価の実用化が短中期的な課題として位置づけられた。 * 規制庁より「PFMを用いた検査程度の見直しに関する確認ポイント案」が提示され、これを基に議論が進行している。 * 主な技術的論点: * 解析条件の妥当性: 化学成分の標準偏差、初期亀裂分布、溶接残留応力など。 * 破壊靭性データの評価: 国内材データに基づく破壊靭性式(Weibull分布型評価モデルなど)の不確実さ、母集団に対する代表性。 * 解析モデルの検証(V&V): 具体的な進め方と十分性の考え方。 * 役割分担の明確化: * 規制庁が「確認ポイント(評価視点)」を提示。 * JAEAが解析コード開発や破壊靭性式の策定など技術的基盤を提供。 * 事業者(産業界)がデータ提供や実機適用に向けた解析条件の検討を実施。 * 学協会(日本電気協会等)での規格策定の動きとも連動している。 * その他: BWRのニッケル基合金の応力腐食割れ(SCC)、PWR炉内機器の長期健全性についても、中長期的な課題として意見交換を開始する。

規制庁からの宿題事項・今後の方針 * 重点項目の議論: 今後の会合では、「破壊靭性値の不確実さ」および「V&Vの実施方法」に重点を置いて技術的な意見交換を行う。 * 判定基準の検討: 技術的議論の後、検査程度の見直しに関する判定基準の考え方や、技術基準規則との整合性について確認を行う。


議題3:意見交換の進め方に係る振返り

議論の内容 * 準備プロセスの効率化: * 研究者特有の「がっちりした資料」を作り込む負担が重いとの指摘があった。 * 今後は、完成されたスライドよりも「何を議論したいか(議題・論点)」の早期共有を優先し、ドラフト段階の資料でも共有して議論を活性化させる方向で一致した。 * 開催頻度: * 現状の約4ヶ月に1回程度は適切だが、テーマの進捗に応じて柔軟に設定する(必要なら頻度を上げる、または合わせる)。 * 会合の目的と意義: * 必ずしも「共同研究」の立ち上げだけがゴールではない。 * 規制側と事業者側がお互いに何をやっているかを知る(重複を避ける、リソースを最適化する)こと自体に価値がある。 * 将来的な人材不足を見据え、コミュニケーションを維持することの重要性が再確認された。 * 新規テーマ: * リスク情報、経年劣化以外の分野についても、意見交換の対象を広げる必要がある。

規制庁からの宿題事項・今後の方針 * 新規テーマの検討: 規制庁とアテナの事務局間で対話を継続し、新たな意見交換テーマを探索・設定する。