第1372回原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合(令和7年11月25日)
出典 : https://youtube.com/live/foRbWOpEj6w?si=R5BUrHoR6LX7ZIl7
会議内容の概要
- 関西電力 高浜発電所第1号機及び2号機の炉内構造物取替(CIR) および炉内構造物保管庫(CIR保管庫)の設置に係る設計及び工事計画認可申請(設工認)の概要が説明されました。
- 炉内構造物取替は、海外事例を踏まえたバッフルフォーマーボルトの照射誘起型応力腐食割れ(IASCC) 対策として、信頼性向上のために実施されます。改良点として、強度改善、IASCC低減、耐震性向上などが挙げられています。
- CIRおよびCIR保管庫の設置について、技術基準規則への適合性、設置許可基準規則との整合性、および先行審査実績(美浜3号機CIR、高浜SG保管庫等)との比較について説明が行われました。
- 規制庁からは、強度・耐震評価の条件/手法の妥当性、CIR保管庫の波及的影響評価、および適用条文の整理について確認が行われ、概ね理解されましたが、詳細については今後の審査で確認されることになりました。
- 規制庁は、今後、基本設計方針や添付説明書等の審査を進める中で、論点が出た場合には改めて審査会合で説明を求める方針を示しました。
議題1:関西電力(株)高浜発電所第1号機及び2号機の炉内構造物取替及び炉内構造物保管庫の設置の工事に係る設計及び工事計画認可申請の審査について
技術的な議論の内容
- 申請の概要と目的
- 2025年8月29日に提出された高浜1号機および2号機の炉内構造物取替(CIR) および炉内構造物保管庫(CIR保管庫) 設置に係る設計及び工事計画認可申請(設工認)の概要について説明されました。
- CIRの目的は、海外で発生したバッフルフォーマーボルトの照射誘起型応力腐食割れ(IASCC) を踏まえ、長期的な信頼性を確保するための予防保全として、炉内構造物を一式取り替えることです。これは美浜3号機の再稼働時に実施されたものと同じ内容です。
- CIRの主な改良点
- 上部炉心支持構造物の取り替えによる強度改善。
- バッフルフォーマーボルト首下部の形状変更、冷却口の設置によるIASCCの低減。
- ラジアルサポートキーの大型化による耐震性の向上。
- これら以外にも、最新プラントで採用されている最新設計を取り入れている。
- CIRの強度・耐震評価の考え方
- 強度評価は、美浜3号機のCIRと同じ評価手法・評価条件を用いて実施されており、差異はない(一次冷却材保有水量の違いによる荷重の差はあるが、設計条件よりも小さいため設計条件で代表)。
- 耐震評価は、美浜3号機の新規制基準工認と手法に違いはないが、申請時期の違いにより材料物性を参照する規格が一部変更(設計建設規格2005, 2007年版から2012年版の適用に変更)。
- 美浜3号機固有の事情(地震動が大きい)により、燃料集合体の減衰定数を一部大きい値を使用している点や、制御棒挿入時間評価において、美浜3号機では3つの応答(制御棒駆動装置、制御棒クラスター案内管、燃料集合体)全てを適用していたのに対し、本申請では制御棒駆動装置・制御棒クラスター案内管の応答に静的手法、燃料集合体の応答に時刻歴的手法を適用しているという違いがあるが、これらは高浜1, 2号機の新規制基準工認時と差異はない。
- CIR保管庫の設置概要
- 新設するCIR保管庫は、炉内から取り出した旧炉内構造物を収納した運搬用容器および工事廃材を保管する施設であり、放射線の遮蔽能力と耐震強度を考慮した鉄筋コンクリート造りとする。
- CIR保管庫の波及的影響評価
- CIR保管庫は耐震Cクラスとして設計され、設置予定地の周辺に耐震Sクラス設備、常設耐震重大事故防止設備、緩和設備、常設・可搬型重大事故等対処施設は設置されていない。
- アクセスルートについても、設置位置から十分離隔されていることを確認しており、耐震の波及的影響はないと判断している。
- 適用条文の整理(設置許可基準規則と技術基準規則の比較)
- CIR本体:設置許可基準規則で審査対象条文としているが、技術基準規則では審査対象外とした条文(許可27条/技基39条、許可29条/技基42条)について、許可での確認結果を踏まえ、設工認では設計条件の変更がないことを確認できたため、審査対象外とした。
- CIR本体(先行審査比較):美浜3号機CIRの条文整理と比較し、11条(損傷の防止) と52条(重大事故等対処設備の健全性確保) が審査対象条文として追加された(大飯3, 4号機SGRの審査実績を踏まえたもの)。
- CIR保管庫:設置許可基準規則と技術基準規則の整理に差分はなし。
- CIR保管庫(先行審査比較):高浜3, 4号機SG保管庫(新設)の条文整理と比較し、審査対象条文か否かという観点では差異はなし。
- 旧CIR運搬用容器:設置許可申請の対象外であり、技術基準規則の適合条文との整理は行ったが、設置許可基準規則との比較は行っていない。
- 旧CIR運搬用容器(先行審査比較):美浜3号機CIRの運搬用容器の条文整理と比較し、5条(維持)、11条(損傷の防止)、14条(安全避難通路)、40条(放射線からの防護) などが審査対象条文として追加された(近年の同種審査実績を踏まえたもの)。一方、8条(立入防止) は、保安規定に基づく運用管理で適合性を明確に確認できるため、審査対象条文としていない。
規制庁からの宿題事項(コメント・指示)
- 強度・耐震評価の詳細確認:高浜1, 2号機のCIRについて、強度評価や耐震評価に関する条件・手法が美浜3号機で実績のあるものと同じと考えてよいか確認され、説明内容については理解されたが、詳細については申請書の確認とされました。
- CIR保管庫の波及的影響評価の詳細確認:CIR保管庫の設置場所について確認し、耐震Cクラスである当該施設がアクセスルートや安全重要施設に影響がないことを、補足説明資料を用いて説明するよう求められました。説明内容(十分な離隔が取れていること等)については確認・了承されました。
- 適用条文の整理に関する丁寧な説明:設置許可基準規則との比較、および先行する類似の設工認(美浜3号機CIR、高浜SG保管庫等)との技術基準規則の条文整理の比較について、概ね理解されたものの、今後の審査(ヒアリング等)の中で適用する条文について精査していくため、関西電力に対し、丁寧な説明と資料等の準備を引き続き行うよう求められました。
- 今後の審査の進め方:本日の説明内容を踏まえ、今後は基本設計方針、耐震強度に関する添付説明書等の審査を進める方針が示され、その過程で論点等が出てきた場合は、改めて審査会合等で説明を求めるとの指示がありました。