第28回特定原子力施設の実施計画の審査等に係る技術会合(令和7年11月25日)
出典 : https://youtube.com/live/S15XlVEI8v4?si=BIFiwY5mVNjpkA92
会議内容の概要
- 1F審査・検査制度の改善: 規則等の改正案が提示され、「運転上の制限」が「施設運用上の基準」に名称変更されること、施設定期検査の廃止と保安検査への統合、溶接検査の使用前検査への統合などが議論された。
- 瓦礫類の放射能濃度管理: 分析データ統合や評価手法の変更など、放射能濃度管理手法の構築の進捗が示され、コンクリートに絞った検討から開始し、対象材料を順次拡大する方針が示された。
- 水処理二次廃棄物の固化処理: 固化処理方針について、規制庁はリスク分散の観点から複数の固化手法(例:ガラス固化とセメント固化)を比較検討し、その必要性を具体的に説明するよう事業者に指示した。
- 廃スラッジ回収施設: 設置に係る指摘事項に対する事業者の回答がなされ、保管容器の遮蔽や作業員の被曝低減策、施設内の換気・気流の確認状況などが説明された。
- 名称変更の事務手続き: 規則改正に伴う「運転上の制限」から「施設運用上の基準」への名称変更について、施行に間に合うよう来年3月中に変更認可申請の手続きを完了させるよう事業者に指示された。
議題1:東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(1F)に係る審査及び検査の改善に向けた検討
技術的な議論の内容
- 規則改正(1F規則、1F告示)の方向性
- 運転上の制限(LCO:Limit Condition for Operation)の名称変更: 規則の3条、14条、18条を改正し、名称を「施設運用上の基準」に変更する。これは、廃止措置の実用炉などで用いられる名称に置き換えるもので、LCOの報告が世論に誤解を生む可能性を避けるためである。
- 実施計画検査の枠組み整理:
- 規則18条の2を改正し、「施設定期検査」を削除する。施設定期検査で確認していたハードウェアの検査は、保安検査の中で東京電力の施設管理の実施状況を確認することで対応可能と判断された。
- 規則18条の2第2項を改正し、検査頻度の規定(毎年度1回以上)を「年間を通じて行う」に変更し、原子力規制検査の考え方に近づける。
- 使用前検査と溶接検査の統合: 規則19条、26条以降を改正し、溶接検査を削除し、今後は使用前検査の中で溶接に係る確認を実施する。これに伴い、溶接検査の申請に必要であった添付資料は、使用前検査の申請添付資料に統合される。
- 溶接検査の対象の削除: 実用炉で溶接の対象となるが現状「空き定」となっている原子炉本体、格納容器、これに付属する容器管などを溶接検査の対象から削除する。
- 使用前検査の実施方法の柔軟化: 規則20条を改正し、工事の工程ごとに検査を定める「充填表形式」を削除し、今後は「十分な方法によって必要に応じて」使用前検査を実施する。
- 告示の改正: 1F告示の運転管理責任者に係る基準(第10条第1号)について、経験年数の対象業務を「発電用原子炉の運転に関する業務」から「発電用原子炉施設(安全に関するもの)の運転に関する業務」に修正する。
- 使用前検査が不要となる施設の指示: 規則20条第2項第3号に基づき、過去に実績のある同一設計の施設(キャスクの仮保管施設、個体廃棄物貯蔵庫第10棟の遮蔽蓋など)について、使用前検査を受けずに使用できるとする指示文案が示された。
- 同一設計の範囲の定義: 実施計画の使用について、構造、強度、機能、性能、最高使用圧力、温度、内包する物質、および設置目的に変更がない範囲を「同一設計」として想定している。
- 検査実施要領の変更: 規則改正に伴い、検査実施要領から溶接検査、輸入溶接検査、施設定期検査を削除する。
- 審査実務要領(審査事例集)の策定:
- 実施計画の審査実務要領案が示され、審査基準への適合性判断をサポートし、審査の迅速化を図ることを目的としている。
- 審査事例集には、申請要否の判断フロー(申請資料、設備の解体適用、使用停止設備・休止設備、敷地線量の評価に関する線源の記載)が掲載されている。
規制庁からの宿題事項(コメント・指示)
- 規則改正に伴う名称変更の対応: 「運転上の制限」から「施設運用上の基準」への名称変更(規則改正は来年4月施行予定)に伴う実施計画の変更認可申請(言葉の書き換え)を、事務的に来年3月中に完了させ、4月に施行が間に合うように手続きを進めること。
- 審査実務要領の充実: 審査事例集は網羅的なものではないため、今後事例が集まれば、特に「施設運用上の基準」の考え方の整理などを含め、追記・充実させていくこと。
議題2:固形状の放射性物質に関する検討状況
技術的な議論の内容
- 瓦礫類の放射能濃度管理手法の構築の進捗
- 大熊1棟の役割拡大による分析数の減少や、一部核種で検出下限値が不十分な可能性を踏まえ、検討方針を変更した。
- 建屋解体物に関する分析データを統合して評価を実施する。
- バックグラウンド相当以下の領域は、線量の高い側から外挿による評価を行う。
- バックグラウンド低線量と中線量の区分をなくし、まずはコンクリートに絞って検討を進め、その後対象材料の範囲を拡大する方針に変更した。
- ホットスポット等の評価は、表面線量率の測定(パターン1)により表面近傍の区画の濃度に関して評価を行う。
- 分析対象核種について、全核種ではなく、安全評価で効いてくる核種に絞る方向で検討している。
- 水処理二次廃棄物等の固化処理方針策定
- 東京電力より固化処理の方針が提示されたが、化学的な有害物など、オプションの選択には多くの検討事項が残っていることが示された。
- 規制庁は、安全確保と廃炉の着実な推進のため、固化手法を複数(例:ガラス固化とセメント固化)用意することによるリスク分散は有用であり、その必要性を検討すべきとの見解を示した。
- ガラス固化について、閉じ込め性能が高いメリットがある一方で、核種が飛散しフィルターでトラップする必要が生じた場合、設備が大きくなり廃棄物量が増えるデメリットも考慮し、具体的な説明が必要である。
規制庁からの宿題事項(コメント・指示)
- 水処理二次廃棄物等の固化処理:
- 引き続き各種論点に係る検討を進め、廃棄対策に向けた計画を具体化すること。
- 固化手法を複数(ガラス固化、セメント固化など)用意することによるリスク分散の必要性を検討し、説明すること。
- ガラス固化における各種の飛散やそれに伴う廃棄物量の増加といったデメリットを含め、今後より具体的な説明を行うこと。
議題3:廃スラッジ回収施設の設置に関する実施計画の変更認可申請について
技術的な議論の内容
- 廃スラッジ回収施設の設置に係る指摘事項リストに対する回答が東京電力より説明された。
- 保管容器の表面線量の遮蔽対策や、表面線量を確認する作業員の被曝低減対策について説明がなされた。
- 施設内の開口部を考慮した測定を実施し、スモークテスターを用いた試験により、ダクト側での吸引と気流の存在を確認した。
規制庁からの宿題事項(コメント・指示)
- 特になし。