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第1373回原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合(令和7年11月27日)

出典 : https://youtube.com/live/mXldj4kNw0s?si=XutmoNQqS2BT1Bsq

会議内容の概要

  • 中国電力株式会社は、島根原子力発電所3号炉の耐震設計の基本方針、鉄筋コンクリート製原子炉格納容器(RCCV)の応力解析モデル、およびチャンネルボックスの厚肉化による影響評価について説明を行った。
  • 島根3号炉の耐震設計は、先行の2号炉と同様の方針を踏襲し、現行の設置変更許可申請段階では新規性の高い論点はないとの見解が示された。
  • 電源開発株式会社は、大間原子力発電所のフルMOX(混合酸化物)炉心に係る核設計コードの適用性確認について説明し、MOX燃料に関する新知見収集の取り組みが示された。
  • 中部電力株式会社は、浜岡原子力発電所4号炉の取水路等の土木構造物について、動的材料非線形解析を用いた耐震評価結果を説明し、許容限界を十分下回ることを示した。
  • 規制庁からは、大間原子力発電所に対し、フルMOX炉心解析結果のより直感的な説明や、MOX燃料の継続的な知見収集の取り組みの確認などが求められた。

議題1:中国電力株式会社島根原子力発電所3号炉の設計基準への適合性及び重大事故等対策について

技術的な議論の内容

  • 耐震設計方針
    • 実用発電用原子炉及びその付属施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則とその解釈を踏まえ、島根原子力発電所2号炉と同一の方針で設計。
    • 基準地震動(SS)弾性設計用地震動(SD) の波形、応答スペクトル、許容限界(JEAG4601設計建設規格等)も2号炉の方針と同様。
    • 3つの観点から耐震設計の論点抽出を実施した結果、島根2号炉の審査実績と異なり、設置変更許可申請段階で新規性が高い論点はないと整理された。
  • 波及的影響の評価
    • 原子炉設置変更許可申請書添付書類八のクラス別施設の一覧表において、「原子炉停止後、炉心から崩壊熱を除去するための施設」への波及的影響を考慮すべき施設として燃料集合体を追記することを説明。これは記載の明確化であり、方針変更ではない。
  • 鉄筋コンクリート製原子炉格納容器(RCCV)の応力解析モデル
    • RCCVの評価はRCCV規格に基づき実施。応力解析モデルは先行プラントである柏崎刈羽原子力発電所6、7号炉と同様の方針でモデル化。
    • 島根3号炉のダブルボックス型原子炉建物の特徴(燃料プール等の構造的一体性)を踏まえ、周辺の床スラブや耐震壁の拘束効果を梁要素またはロッド要素でモデル化する方針は先行プラントと相違ないことを確認。
  • チャンネルボックス厚肉化による影響(第4条:地震による損傷の防止、第15条:安全機能を有する施設の機能)
    • 制御棒挿入性:厚肉化チャンネルボックスを用いた試験により、基準地震動SSによる最大応答相対変位(約40mm以下)の範囲で、通常のスクラム目安時間内での制御棒挿入性を確認し、地震時においても挿入性が確保できる見通し。
    • 燃料被覆管の閉じ込め機能:厚肉化の影響を考慮した最大過出力、および質量・断面二次モーメント等を変更した燃料集合体の地震応答解析モデルにより応力評価および疲労評価を実施。評価結果は評価基準を下回り、閉じ込め機能は維持できる見通し。
  • 耐津波設計方針
    • 津波の二次的影響として、3号炉取水槽底面等への津波移動堆積物の体積を考慮した評価を実施。堆積物の上端が取水口下端などに比べ十分小さく、取水口および取水路の通水性は確保できると評価。
    • 補給海水系放水路接合マスおよび補給海水系放水堤を津波防護対象施設への津波流入防止の観点から入力津波の評価位置として評価対象に含めていることを説明。

規制庁からの宿題事項(コメント・指示)

  • 波及的影響の確認の留意事項:島根2号炉の審査実績で波及的影響を確認した類似の設備配置(タービン建屋内の重要設備と非耐震設備)について、島根3号炉でもその特徴に留意して波及的影響の確認を実施する方針であるか、説明を求められた。

議題2:電源開発株式会社大間原子力発電所の設置変更許可申請の審査について

技術的な議論の内容

  • フルMOX(混合酸化物)炉心に係る核設計評価手法の適用性確認
    • 核設計コードのHINESS(スペクトル計算)およびPANAC(炉心全体解析)をMOX燃料向けに改良して適用。HINESSはMOX燃料の臨界試験解析により、ウランとMOXで同程度の解析精度であることを確認。
    • HINESSの適用性確認のため、近似による不確かさが影響するパラメータに対応するため、臨界試験、照射後試験、照射後燃料による臨界試験の知見を収集。
    • PANACの適用性確認のため、沸騰水型原子炉(BWR) のMOX混在炉心運転実績と、MCNP(モンテカルロ法コード)による参照解析の知見を収集。
    • MCNP参照解析では、全ウラン、1/3 MOX、フルMOXの3種類を模擬し、HINESS/PANACの2段階計算に対する参照解析として実施。
  • 運転実績データの報告
    • フルMOX炉心に移行する前の段階ごとに、運転実績データなどの報告を規制庁に対して実施していく方針を説明。

規制庁からの宿題事項(コメント・指示)

  • 解析手法比較の説明の平易化:フルMOX炉心になった際の解析誤差について、「もっと平たく直感的に分かるような説明」を資料に加えて改めて説明するよう指示があった。
  • 燃料挙動解析コードの知見収集の継続性:燃料挙動解析コードREVASの適用性確認について、燃焼が進んだMOX燃料の試験データ(海外MOX炉のデータなど)も参照することが重要との認識を示し、継続的な知見収集の取り組みについて確認を求められた。
  • 運転実績データ報告の位置づけ:フルMOX炉心移行前の段階ごとの運転実績データ報告が、設置許可の適合性審査の一環なのか、保安規定や検査といった段階規制の後段の枠組みで取り組むものなのか、その位置づけを明確にするよう求められた。

議題3:中部電力株式会社浜岡原子力発電所4号炉の設計基準への適合性について

技術的な議論の内容

  • 取水路等の耐震評価
    • 取水路の円形トンネル構造について、動的材料非線形解析を実施し、最大発生せん断力に対して構造解析係数を考慮して設計せん断力を算定。
    • 円形トンネル覆工の設計せん断力が許容限界を十分に下回ることを確認。
    • 周辺の岩盤および支保コンクリートについても、最大先端応力がそれぞれの強度に対し十分に小さく、最小局所安全係数は十分な余裕を確保している見通し。
  • 取水槽浸水防止蓋内における漂流物評価
    • 現場調査・聞き取り調査により特定した漂流の可能性のある評価対象物(貯蔵タンク、特殊車両)は、防波壁に到達することはないと整理。

規制庁からの宿題事項(コメント・指示)

  • 特段の指摘事項はなかったが、今後さらに事実確認を進める中で新たな論点が見出された場合には、改めて審査会合において議論することとされた。