コンテンツにスキップ

第564回核燃料施設等の新規制基準適合性に係る審査会合(令和7年12月3日)

出典 : https://youtube.com/live/veGGm4WnSh0?si=pB2nNW6OzEFs7FbZ

本審査会合の議題は、日本原子力研究開発機構(JAEA)大洗工学研究所北地区のHTTR(高温工学試験研究炉)の熱利用試験施設接続に係る設置変更許可申請について、補正申請の内容を含めた概要説明を受け、議論を行うことでした。


会議内容の概要

  • 炉規法適用範囲の変更: 原子炉等規制法(炉規法)の適用範囲が、初回の申請から変更され、熱利用試験施設との境界を「原子炉建屋隔離弁」とすることで補正申請が行われました。
  • 新規設備と改造: この変更に伴い、原子炉施設側に「隔離弁室」「トレンチ」を新設し、「原子炉格納容器隔離弁」「原子炉建屋隔離弁」を設置するなどの大規模な改造が計画されています。
  • 新規運転モードと安全評価: 新たに「熱量試験運転」モードが追加され、安全評価において「中間熱交換器の伝熱管破損事故」が設計基準事故に追加されました。
  • 安全保護の強化: 伝熱管破損事故対策として、原子炉格納容器隔離弁と原子炉建屋隔離弁に多様性を持たせるとともに、原子炉保護設備(安全保護回路)のデジタル化や新規スクラム信号(一、二次ヘリウム差圧低信号など)の追加が計画されています。
  • 構造・地盤に関する懸念: 規制庁からは、新規設場所の地盤物性や、隔離弁室の構造分離(エキスパンションジョイント接続)、新規運転モードが既存運転に与える影響など、詳細な影響評価と説明の充実が求められました。

議題1:日本原子力研究開発機構大洗工学研究所北地区のHTTR高温工学試験研究炉の熱利用試験施設接続に係る設置変更許可申請について

技術的な議論の内容

  • 原子炉等規制法(炉規法)の適用範囲の変更
    • 初回の申請では、水素製造装置・水蒸気改質器の二次側遮断弁で炉規法の適用範囲を区切っていたが、その後の審査会合での議論を踏まえ、原子炉建屋隔離弁をもって原子炉施設と一般産業施設(熱量試験施設)の境界とするよう変更された。
  • 原子炉施設の改造・新設
    • 構築物: 新たに隔離弁室、地下トレンチを新設し、原子炉格納容器を貫通する配管に対応するため原子炉建屋貫通部を改造する。
    • 隔離弁室の構造: 初回申請時の原子炉建屋との一体構造から、設計・施工の合理性のため、隔離弁室と原子炉建屋を分離し、エキスパンションジョイントを介して接続する構造に変更された。
    • 冷却系統と格納施設: 二次ヘリウム冷却設備を改修し、二次ヘリウム配管に原子炉格納容器隔離弁原子炉建屋隔離弁を設置する。
    • 貯蔵設備: 二次ヘリウムのインベントリ増加に伴い、二次ヘリウム貯蔵供給設備の貯蔵タンクを屋外に増設する。
  • 運転制御の追加と変更
    • 運転モード: 従来の高温試験運転(並列運転モード)の下に、新たに熱量試験運転(水素製造モード、受動的除熱モード)を追加する。
    • 運転方針: 原子炉施設は、熱量試験施設の信号を使わずに独立して運転制御する。ただし、熱量試験施設の警報時には運転員の操作により原子炉を停止する場合がある。
    • 熱供給: 熱量試験運転では、中間熱交換器で得られた10MWtの熱のうち、2MWtを熱量試験施設(水素製造装置、水蒸気改質器など)に供給する。
  • 安全評価の変更と対策
    • 設計基準事故の追加: 新たに中間熱交換器の伝熱管破損事故を設計基準事故(DBA)に追加した。
    • 隔離機能の強化: 伝熱管破損事故対策として、原子炉格納容器隔離弁と原子炉建屋隔離弁に多様性を持たせる設計とする。
    • 原子炉保護設備(安全保護回路):
      • 一、二次ヘリウム差圧低信号を新たに設け、原子炉スクラムと二次ヘリウム冷却設備隔離信号を発信し、両隔離弁を閉止する論理回路を追加する。
      • 安全保護回路(スクラム信号を発する設備)をデジタル化する。
    • BDBA対策: 一、二次ヘリウム差圧大信号を新たに設け、後備二次ヘリウム冷却設備の隔離信号を発生させ、両隔離弁を閉止する論理回路を設ける。隔離弁から原子炉建屋隔離弁までの配管はSS地震動に対応する設計とする。
    • 重要安全施設への位置づけ: 原子炉格納容器隔離弁と原子炉建屋隔離弁は、異常発生時の影響緩和機能を果たすため、重要安全施設に位置づける。

規制庁からの宿題事項(コメント・指示)

  • 影響評価の説明充実
    • 熱量試験運転時の異常発生から影響検知、対処までの詳細な影響評価(特に二次冷却材喪失など)について、今後の資料で詳しく説明すること。
    • 新規の熱量試験運転モードが、従来の二次加圧水冷却運転モードに影響を与えないことを明確に説明すること。
  • 構造・地盤に関する説明
    • 隔離弁室やトレンチの設置場所が埋め戻し土壌であることを踏まえ、地盤物性(液状化影響など)との関連を含めた影響評価を今後の資料で詳しく説明すること。
    • 原子炉建屋隔離弁室の換気空調設備、消火設備などのプラント補助設備の設計と機能の詳細を説明すること。
    • 原子炉建屋隔離弁室の構造分離(エキスパンションジョイント接続)の設計が、地震時などの配管への影響をどのように防いでいるかについて、詳細を説明すること。
  • 隔離機能に関する明確化
    • 隔離弁を閉止する機能について、設計基準事故(DBA)として期待しないという考え方の根拠(他の冷却系での隔離弁の取り扱いとの整合性など)を詳しく説明すること。
    • 隔離弁を重要安全施設に位置づけたことについて、異常影響緩和機能を果たすために求められる、非常用多重性や非常用電源からの供給といった要求にどのように適合させているかを説明すること。
  • 閉じ込め機能の明確化
    • 隔離弁室や貯蔵タンクの貫通部に関連し、原子炉建屋自体にどのような閉じ込め機能を期待しているのかを明確にした上で、遮蔽や隔離の設計を説明すること。