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第1375回原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合(令和7年12月5日)

出典 : https://youtube.com/live/Pu8j5MBR2n0?si=8DDS42heuCaLSQvX

会議内容の概要

  • 議題1(大間原子力発電所 地震動評価) では、確率論的地震ハザード評価(PSHA)の評価方針、特定震源モデル(三陸沖北部、東北地方太平洋沖型地震など)と領域震源モデルの設定、および地震動伝播モデル(NODAの方法、断層モデル手法)の適用方針について説明が行われました。
  • 議題2(浜岡原子力発電所 敷地の地質・地質構造) では、御前崎地域の地質形成史を踏まえた地質・応力場に関する議論の必要性、および3号炉申請としての資料整理と断層(特にH断層)の認定根拠をボーリングコアなどの具体的なデータで明確に示すことが求められました。
  • 議題3(浜岡原子力発電所 津波評価) では、防波堤改良盛り土分の形状変更や取水トンネルモデルの変更が基準津波に与える影響はないとの説明がなされました。
  • ハザード側とプラント側の連携問題: 浜岡原子力発電所において、ハザード側(基準津波策定)とプラント側(入力津波高さ設定)の間で津波評価モデルの相違に関する情報連携が不十分であった経緯について、規制庁から原因究明と再発防止策を次回会合で報告するよう求められました。

議題1:電源開発株式会社 大間原子力発電所の地震動評価

(基準地震動の超過確率の参照について)

技術的な議論の内容

  • 確率論的地震ハザード評価(PSHA)の評価方針
    • 評価は、日本原子力学会2015に基づき、専門家活用水準1として実施している。
    • 震源モデルとして、特定震源モデルと領域震源モデルを設定し、プレート間地震、内陸地殻内地震、海洋プレート内地震を考慮する。
  • 特定震源モデルの設定
    • 三陸沖北部:地震本部2004の評価を踏まえ、M8.3、平均発生間隔97年を考慮。
    • 東北地方太平洋沖型地震:地震本部2019に基づき、NODA適用外のM9.0程度の超巨大地震を考慮(平均発生間隔約550〜600年)。三陸沖北部領域で想定する地震は、6回に1回は連動して東北地方太平洋沖型地震が発生するものとする。
    • 十勝沖の地震(NODA適用外):M8.6、平均発生間隔80.3年を考慮。
    • 17世紀型地震(NODA適用外):M8.8以上、平均発生間隔約340〜380年を考慮。十勝沖の領域で想定する地震は、6回に1回は連動して17世紀型地震が発生するものとする。
    • 内陸地殻内地震:F14断層や奥尻3連動による地震などを考慮。F14断層の活動度はB級とC級を1対1で分岐設定する。
  • 領域震源モデルの設定
    • 地震本部2021の領域区分を参照し、モデル1(長期評価結果を基本)とモデル2(不確実性を大きくとったもの)を基本として2対1で分岐する。
  • 地震動伝播モデルの設定
    • NODAの方法を用いることを基本とし、プレート間地震および海洋プレート内地震の評価では観測記録との比に基づく補正を行う。
    • 内陸地殻内地震の評価では、内陸補正の有無を1対1の分岐として考慮する。
    • NODA適用外の超巨大地震等については、断層モデル手法による地震動評価結果を用いる。
    • 評価に対するばらつき(対数標準偏差)は、NODA法で0.53、断層モデル手法で0.35, 0.40, 0.45を1対2対1で考慮する。
  • ハザード解析の主要因
    • 年超過確率$10^{-3}$(高頻度)側では、プレート間地震の特定震源の影響が大きい。
    • 年超過確率$10^{-4}$(低頻度)側では、内陸地殻内地震の特定震源の影響が大きい。

規制庁からの宿題事項(コメント・指示)

  • 特になし。

議題2:中部電力株式会社 浜岡原子力発電所 敷地の地質・地質構造

(3号炉及び4号炉の敷地の地質・地質構造)

技術的な議論の内容

  • 地質形成史の必要性: 敷地に認められる正断層・逆断層の成因(応力場)を説明するためには、御前崎地域全体の地質形成史を含めた整理と議論が必要である。
  • 断層グループ間の整理: 4号炉申請時に行われた断層グループの変更や、グループ間の新旧関係について、3号炉申請として成立する資料の準備が必要。特に、3号炉の重要構造物の直下の断層評価についても確認が必要である。
  • H断層の認定根拠: 鍵層の推定位置に基づくだけでなく、ボーリングコア写真やボアホールテレビ(BHTV)など、実際に破砕帯が密集している部分の具体的な調査データを用いて、H断層の存在位置を明確に裏付ける説明が必要。

規制庁からの宿題事項(コメント・指示)

  • 地質形成史の再整理: 御前崎地域全体を含めた地質形成史を整理し、敷地の断層の成因にかかる応力場との関係が説明できるよう、資料を構成し直すこと。
  • H断層の調査データ提示: H断層の存在位置について、推定位置だけでなく、ボーリングコア写真やBHTVなどの具体的な地質調査結果を示し、断層の認定根拠を明確にすること。
  • 3号炉申請資料の整備: 3号炉の申請として成り立つ資料を整備し、4号炉申請との差分を含め、3号炉の重要構造物の下の断層評価が個別に行われていることを確認できるように説明を整理すること。

議題3:中部電力株式会社 浜岡原子力発電所 津波評価

(基準津波と耐津波設計方針の津波評価の経緯)

技術的な議論の内容

  • 基準津波への影響:
    • 防波堤改良盛り土分の形状変更(敷地高さ、東側の盛り土)について、基準津波の策定時と入力津波高さの設定時で形状が変わっているが、基準津波に与える影響はないと説明された。
    • 取水トンネルの管路モデルの変更についても、取水トンネルであることに変わりはなく、3号炉から5号炉の一水防止壁内への流入海水量はほぼ同じと考えられ、基準津波の策定に与える影響はないと判断された。
  • ハザード側とプラント側の連携問題:
    • ハザード側(基準津波策定)とプラント側(入力津波高さ設定)で津波評価のモデルが異なっていたことや、その相違による基準津波への影響がないことについて、事前に規制庁へ十分な説明がされていなかった。
    • 原因として、プラント側の審査開始時期の不慣れや、審査文書作成対応に追われていたことが挙げられた。

規制庁からの宿題事項(コメント・指示)

  • 原因究明と再発防止策の報告: ハザード側とプラント側の評価結果の受け渡しに関する情報連携の不備について、事業者として原因を究明し、社内のマネジメント改善につながるような再発防止策を検討すること。その結果を次回の会合で改めて説明すること。
  • 評価結果の受け渡しの徹底: ハザード側とプラント側の評価結果の受け渡しに限らず、ハザード側の地震・津波・地質・基礎地盤間の相互の受け渡しや、プラント側内部での評価結果の受け渡しについても、同様の対策を徹底すること。