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第565回核燃料施設等の新規制基準適合性に係る審査会合(令和7年12月8日)

出典 : https://youtube.com/live/x8X7s2kqiX0?si=GvNMStnxK92qrspj

本審査会合の議論は、日本原子力研究開発機構(JAEA)大洗原子力工学研究所・高速実験炉原子炉施設(常陽)の新規制基準適合に係る設計及び工事の計画の認可申請(設工認申請)のうち、特に多量の放射性物質等を放出する事故の拡大の防止に係る資機材(BDBA資機材)の整備に関するものです。

会議内容の概要 * BDBA資機材(制御棒、インターロック、安全板、冷却設備、電源など)が、設置変更許可で定められた設計方針(共通的・個別的)に適合していることについて、JAEAが説明を行った。 * 制御棒連続引き抜き阻止インターロックや高速炉停止系用論理回路などの新規設備について、UTOP事象防止や多様性・独立性確保の観点から設計仕様が説明された。 * 安全板の設置について、格納容器の過圧防止、流出ナトリウムの熱影響緩和策(断熱材、ヒートシンク材)および配管閉塞防止策(ヒーター)の設計が示された。 * 規制庁からは、新規制基準適合性を示すため、BDBA資機材の環境条件と独立性の詳細な設計結果、安全板の破裂圧力の下限値に関する合理的説明、アルゴンガス系配管の保温/ヒーター設計の根拠、および可搬型資機材のBDBA荷重との組み合わせによる耐震性評価について、資料での明確化を求める宿題が指示された。 * JAEAは、規制庁からの指摘事項について、計算書を含めた資料での追加説明を行うことを約束した。


議題1:日本原子力研究開発機構大洗原子力工学研究所(南地区)の原子炉施設(高速実験炉原子炉施設(常陽))の変更に係る設計及び工事の計画の認可申請について

技術的な議論の内容

  • 多量の放射性物質等を放出する事故の拡大の防止に係る資機材(BDBA資機材)
    • 本件は、BDBA資機材が、設置変更許可に定める設計方針(原子炉施設技術基準規則第58条に相当)に適合していることを確認するものである。
  • 制御棒、高速炉停止制御棒等(炉心損傷防止)
    • 制御棒(炉心第3列の4本)と高速炉停止制御棒(炉心第5列の4本)は独立性が確保されており、主炉停止系が動作しない場合でも高速炉停止系で原子炉を停止できる。
    • 制御棒は全引き抜き位置においても、下半部が下部案内管内に位置する構造であり、挿入が阻害されないため、実績により十分な信頼性を有している。
  • 制御棒連続引き抜き阻止インターロック(新設品)
    • Unprotected Transient Overpower (UTOP) 事象の炉心損傷防止策の一つ。
    • 運転モードスイッチ・高出力モードにおける出力運転中に、制御棒の連続引き抜き時間が3秒となると、引き抜きを自動的に阻止するタイマーリレーを引き抜き回路に設ける。
    • タイマーリレーの作動時間は、有効性評価を踏まえ、3秒 ±約0.2秒とする。
  • 高速炉停止系用論理回路(新設品)
    • 代替原子炉トリップ信号(原子炉出口冷却材温度高、一次主循環ポンプトリップ)により、高速炉停止制御棒を炉心に挿入する機能を有する。
    • 多様性・独立性の確保
      • 代替原子炉トリップ信号は、通常の原子炉トリップ信号と異なるものを用いることで多様性を確保。
      • 論理回路は独立した盤として中央制御室に設置。
      • 電源は直流無停電電源系統(原子炉保護系スクラムとは異なる電源系統)から供給。
      • 信号入力リレーは原子炉保護系スクラムと異なるB接点を用いることで、共通原因故障の回避を優先。
  • 原子炉冷却剤バウンダリ及び原子炉容器リークジャケット
    • 原子炉冷却剤バウンダリは既存設備(既設品)から変更なし。
    • 原子炉容器リークジャケットはBDBA時に、コンクリート遮蔽体冷却系により原子炉容器との間隙に窒素ガスを通気し、原子炉停止後の炉心冷却に用いる。
  • 安全板、断熱材、ヒートシンク材等(格納容器破損防止)
    • 安全板:炉心損傷を想定した原子炉冷却剤バウンダリの過圧を防止するため、一次系アルゴンガス系統に圧力が約9.8kPaまで上昇した場合に自動的に開放するものを整備。
    • 熱影響緩和:安全板からナトリウムが放出されるダンプタンク室には、格納容器の壁や床を防護するため、断熱材、ヒートシンク材(アルミナを使用)、および鋼製のライナを整備。
    • 閉塞防止:安全板までの配管部でナトリウムの凝固による閉塞を防止するため、ヒーターを設置する。
    • バウンダリ範囲:安全板の設置に伴う配管分岐部から第二止め弁までが原子炉カバーガス等のバウンダリ(第3種機器)に該当し、必要な耐震性を有する。第二止め弁の下流(安全板側)はBDBA資機材として、発電炉の例を参考に第3種相当として取り扱う。
  • 一次補助冷却系サイフォンブレーク止め弁
    • 炉容器液位を保持するため、ガスの導入によるサイフォンブレークが機能する。
    • 止め弁は合計4つの弁で多重化し、信頼性を確保している。
  • 仮設電源設備
    • 全交流電源喪失時(SBO時)に必要な容量を確保。
    • 2式を用意し、2箇所の保管場所に分散配置することで、電源供給の信頼性を確保。

規制庁からの宿題事項(コメント・指示)

  • BDBA資機材の環境条件と独立性の明確化
    • 許可(設置変更許可)に定めた設計方針に基づき、BDBA時に想定される環境条件(温度、湿度、放射線など)と、それに対する各BDBA資機材の設計(構造、分離の具体的な方法など)を示すことで、物理的・電気的分離が担保されていることを具体的に説明すること。
    • 特に新規設品である高速炉停止系用論理回路について、許可に定めた設計方針に基づいて実際の設計が担保できていることが分かるように具体的な説明を追加すること。
  • 安全板の破裂圧力の加減値に関する説明
    • 安全板の破裂圧力「9.8kPa以下」という記載について、加減値がない場合に通常運転時や過渡事故時(カバーガス圧力の変動時)に意図せず安全板が破裂・誤作動しないことの合理的な説明を追加すること。
    • 安全板の性能を担保するための、製造ロットでの試験方法や、プラント設置後の管理(例:定期的な交換など)の考え方を示すこと。
  • アルゴンガス系統配管の保温材/ヒーター設計の根拠
    • ナトリウム凝固閉塞防止のためのヒーター容量と保温材の設計(熱計算)について、最終的な目標温度(150℃~200℃)を達成できることの根拠となる計算書や考え方を資料で明確に示すこと。
  • 可搬型資機材の耐震性評価
    • 可搬型資機材の耐震性評価において、設計基準の評価(Bクラス/SSとの組み合わせなど)に収まるという評価に加え、炉心損傷防止措置や格納容器破損防止措置といったBDBA荷重条件との組み合わせについて、その考え方と評価結果を明確に整理して示すこと。