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第38回特定兼用キャスクの設計の型式証明等に係る審査会合(令和7年12月9日)

出典 : https://youtube.com/live/0zkgceOR3RM?si=JNJo2GlFcq8UHbPe

本審査会合の概要は以下の通りです。

  • カナデビア株式会社(以下、カナデビア)のHitz-P24型 特定兼用キャスクの型式指定に係る指摘事項(コメントNo.8~14)に対する回答が中心に議論されました。
  • Hitz-P24型のバスケットプレート用アルミニウム合金について、約2万時間以上のクリープ試験残材を用いた材料シミュレーションの妥当性が確認され、長期健全性評価に関する規制庁からの追加コメントは解消されました。
  • Hitz-P24型の運用柔軟性を高めるため、収納物の詰め替えを想定し、使用済み燃料の崩壊熱減衰を考慮しない保守的な評価を追加する方針が示されました。
  • Hitz-P24型の輸送容器としての落下時(垂直落下、傾斜落下)の加速度評価について、評価に用いる値の保守性が説明され、規制庁により確認されました。
  • Hitz-B69型 特定兼用キャスクについて、自然現象(地震、津波、竜巻、火山)への設計考慮と、安全機能(臨界防止、遮蔽、除熱、閉じ込め、長期健全性)に関する適合性概要が説明されました。

議題1:カナデビア(株) 特定兼用キャスクの設計の型式指定について (Hitz-P24型)

技術的な議論の内容

  • バスケットプレート用アルミニウム合金の第三者評価の状況(No.8)
    • バスケットプレート用アルミニウム合金の機械的性質および長期健全性に関わる設計用強度の規定について、第三者評価が進められており、2025年5月から立ち上げられた試験委員会によって10月24日までの会合で評価が進んでいる。
    • 現時点では目立った指摘事項はなく、現在は報告書の作成が進められている状況にある。
  • クリープ試験残材による電気伝導度の確認(No.9)
    • バスケット材料(アルミニウム合金)の60年間の供用に伴う金属組織変化の予測に用いた材料シミュレーションの妥当性を確認するため、最長で約2万時間以上のクリープ試験を行った破断試験片を用いて特性変化を評価した。
    • 長時間の加熱により、マグネシウム固溶量などの金属組織変化に起因した材料特性の変化は認められなかった。
    • クリープ試験片の熱履歴と同じ条件でシミュレーションを行った結果、加熱前と比較して固溶量の変化が生じないという計算結果が得られ、試験結果とシミュレーション結果の整合性が確認された。
    • 実際に長時間加熱した材料の電気伝導率およびビッカース硬さの値に大きな変化はなく、一定の状態を保っている。
    • 規制庁は、得られた試験結果とシミュレーション結果の整合性を確認したとして、追加のコメントはないことを表明しました。
  • 収納物の詰め替えの評価追加と型式証明との整合性(No.10)
    • Hitz-P24型は一度収納物を収納した後に詰め替えを行わない運用を想定していたが、詰め替えを行っても安全機能に影響を及ぼさないため、柔軟な貯蔵機能を可能とする観点から、収納物の詰め替えを想定した評価を追加することとした。
    • 使用済燃料の崩壊熱の減衰を考慮しない保守的な条件で、中性子遮蔽材の質量減損率の評価および遮蔽解析を追加した。
    • 貯蔵初期の温度が設計貯蔵期間中に一定であるとした保守的な評価においても、中性子遮蔽材の質量減損率は大きくなるものの、燃料装荷率(核燃料物質の貯蔵能力)の評価結果への影響は軽微であり、設計基準を満たすことを確認した。
    • 型式証明で確認された設計方針に変わりはなく、本文記載事項に変更が必要な箇所もないため、型式証明の変更申請は必要ないとの見解が示されました。
  • バスケットの構造強度と臨界解析モデル(No.13)
    • バスケットの高さや熱膨張を考慮しても、水平落下時の荷重によってバスケットプレート内側部が弾性変形するが塑性変形は生じず、固定金具や固定ボルトにも塑性変形は生じないことを説明した。
    • 熱収縮を考慮した場合も、水平落下時の荷重によって隙間がなくなり、高さ・熱膨張を考慮した場合と同じ荷重作用状態になるため、塑性変形は生じない。
    • これらの結果に基づき、臨界解析モデルへの引き継ぎ事項である「バスケット変形なし」は適切であることを確認した。規制庁もこの説明を受けて、臨界評価の前提条件の妥当性を確認し、追加コメントはないことを表明しました。
  • 落下時加速度の保守性の説明(No.14)
    • 垂直落下: 内部収納物の加速度割増係数について、バネ・質量モデルを用いて評価したHitz-P24型の値は1.9であり、実規模落下試験体による落下試験結果として得られた2.4よりも小さいことを確認した。評価では保守的に2.6を適用するため、保守的であることを説明した。
    • 傾斜落下: 1/3スケールモデルを用いた落下試験結果の適用性を前提に、Hitz-P24型の傾斜落下時の加速度は796 $m/s^2$ 以上(文字起こしでは796 mps以上)と評価された。
    • Hitz-P24型の水平落下と傾斜落下の加速度比は1.27となり、評価において1/3スケールモデル落下試験で得られた加速度比1.34を適用することは保守的であることを説明した。規制庁は、これらの説明により評価の保守性が確認できたとして、追加コメントはないことを表明しました。
  • 品質管理基準への適合性(No.11)
    • 調達プロセスにおいて、ISO 9001認証の確認等の書類審査に加え、実地監査を行うことで調達先の評価を実施している。
    • 調達注文書の一般事項にコンプライアンス遵守を記載し、実地監査や定期監査の機会に遵守状況を確認することで、材料メーカーを含む調達先の不正発生の未然防止活動を推進している。
    • 製作する機器の均一性を確保するため、標準化された工程管理手法、適切に管理された設備、力量を有する作業者による実施を品質管理のキーポイントとしている。規制庁は、品質管理体制全体で均一性が確保されていることが確認できたとして、追加の確認はないことを表明しました。

規制庁からの宿題事項(コメント・指示)

  • バスケットプレート用材料の第三者評価(No.8関連): 第三者評価の報告書作成中であるため、次回の審査会合までにご説明させていただくという予定が示されました。
  • 収納物の詰め替えを想定した評価(No.10関連): 輸送容器としての使用予定回数に関わる条件との整合性を図る観点から、収納物の詰め替えを想定した評価を追加すること(崩壊熱の減衰を考慮しない条件での中性子遮蔽材の質量減損率評価および遮蔽解析)が、事業者から自主的に追加されました。
  • 添付資料書類13の整理(No.12関連): 添付資料書類13について、安全性を確保するためのリークテスト基準や事業者への引き継ぎ事項を踏まえ、破証(装用機能保証)及び核燃料輸送物の取扱方法並びに二証(安全設計及び安全輸送に関する特記事項)を作成し、添付書類13の一部として補正申請を行うことが求められました。

議題2:カナデビア(株) 特定兼用キャスクの設計の型式指定について (Hitz-B69型)

技術的な議論の内容

  • 基本設計方針
    • 基本設計方針および安全評価は、型式証明から変更はない。
    • 下段審査(原文のまま)で確認される事項として、地震時の周辺施設からの波及的影響によって、Hitz-B69型キャスクの安全機能が損なわれないこととしている。
  • 自然現象に対する設計考慮
    • 津波: 津波波力と漂流物衝突荷重を同時にキャスクに作用させる条件で評価する。
    • 竜巻: 竜巻の風圧、気圧差、飛来物による荷重を同時に作用させる条件で評価する。
    • 火山: 積載荷重と堆積荷重を考慮した設計荷重を設定し、津波と同じ設計荷重をキャスクに作用させて評価する。
  • 安全機能に関する評価概要
    • 閉じ込め機能: 密封容器の応力評価結果から、設計基準を満足することを確認している。
    • 臨界防止機能: 燃料集合体の燃焼度および配置の条件または範囲を逸脱しないような措置が講じられる。貯蔵建屋等の損傷による影響を考慮した評価においても評価基準を満足することを確認している。
    • 除熱機能: 使用済燃料集合体の崩壊熱、冷却期間などの評価条件は型式証明から変更はなく、評価結果は設計基準を満足することを確認している。
    • 遮蔽機能: 評価条件は型式証明から変更はなく、評価結果は設計基準を満足することを確認している。
    • 長期健全性: 使用済燃料の燃焼度および照射量は、文献等に変化が見られない範囲内であり、照射による経年変化の影響はない。キャスク本体部材および密封容器の応力評価結果から、健全性を確保していることを確認している。
  • 品質管理
    • Hitz-P69型においても、Hitz-P24型と同様に、調達先の評価、コンプライアンス遵守の注意喚起、実地監査・定期監査による不正防止活動を推進し、品質管理基準規則等を満たす品質マネジメントシステムにより製作することを説明した。

規制庁からの宿題事項(コメント・指示)

  • Hitz-B69型に関する規制庁からの新たな宿題事項(コメント・指示)は、文字起こし内容には見当たりませんでした。