第1376回原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合(令和7年12月11日)
出典 : https://youtube.com/live/4oXK3HdVZM0?si=pUuRbkArXAJ04cB3
会議内容の概要
- 川内乾式貯蔵施設:川内原子力発電所1号炉及び2号炉の使用済燃料乾式貯蔵施設について、地盤の支持を想定しない横置き貯蔵方式や、基準規則への適合設計方針(地震、津波、安全重要度分類など)が説明されました。
- 川内貯蔵施設関連の課題:乾式貯蔵施設の設置場所に関する周辺斜面の安定性評価と、既存建屋(基設建屋)の基礎地盤安定性評価について、非公開審査会合を含め詳細な説明を求められました。
- 東海第二防潮堤の材料適用性:東海第二発電所の防潮堤(鋼製防護壁)に用いられる高強度鉄筋SD-685について、津波と余震の重畳時においても許容ひずみを下回ることを3次元非線形解析で確認しました。
- 東海第二防潮堤の工事実現性:太径鉄筋の高密度配筋箇所へのコンクリート充填性について、モックアップ試験の結果、設計通りの構築が可能であることを示しました。
- 東海第二防潮堤の施工・検査:高精度な工事計画における不確かさの抽出プロセスと対策の詳細、および薬液注入工事の品質管理値について、今後の審査で明確に示すよう指示されました。
議題1:九州電力株式会社川内原子力発電所1号炉及び2号炉の設置変更許可申請(使用済燃料乾式貯蔵施設の設置)に係る審査について
技術的な議論の内容
- 施設概要と目的:
- 川内原子力発電所1号炉及び2号炉の使用済み燃料を再処理工場へ搬出するまでの一時貯蔵施設として、乾式貯蔵施設を敷地内に設置する計画。
- 貯蔵方式は、審査ガイドの「地盤の十分な支持を想定しない方法」を採用。
- 形式証明済みのMSF28P型特定兼用キャスクを使用し、貯蔵用緩衝体を装着した状態で、基礎等に固定しない横置きにて貯蔵する設計。
- 乾式貯蔵建屋内は、空気の自然循環により冷却を行う。
- 容量と運用計画:
- 乾式キャスク20基、使用済み燃料560体分(1号炉・2号炉の全炉心燃料の約360%相当分)を貯蔵可能。
- 2027年度から工事を開始し、2029年度の運用開始を計画。
- 自然ハザードへの適合性:
- 設置場所:基準地震動による周辺斜面の崩壊および基準津波による遡上波(遡上高さ約13m)が到達しない場所に設置する。
- 地震(第4条):乾式キャスクは兼用キャスク告示の地震力に対して安全機能が確保され、乾式貯蔵建屋および貯蔵用緩衝体はCクラスに準じた設計とする。
- 津波(第5条):設置場所の選定により、基準津波による遡上波が地上部に到達しない設計とする。
- 斜面安定性:東側の斜面については、造成工事と離角距離の確保により、乾式キャスクに対して周辺斜面の安定性評価を実施する必要はない方針。
- 安全重要度分類:
- 乾式キャスクはPS2(安全保護上重要な施設)に、乾式貯蔵建屋は乾式キャスクの間接関連型としてPS3に分類。
- 貯蔵用緩衝体は、安全重要度分類上は該当なし(バー)だが、PS2相当の機器とみなして整理。
- 放射線防護:
- 乾式貯蔵施設を設置しても、敷地周辺の実効線量が年間50μSv(マイクロシーベルト)を超えない設計とする。
- 乾式キャスク貯蔵場所は第4区分の管理区域として設定する。
規制庁からの宿題事項(コメント・指示)
- 斜面安定性評価:造成工事による斜面安定性評価不要の方針について、具体的な内容は非公開情報を含むため、今後の非公開審査会合の場で説明を行うこと。
- 既存建屋の地盤安定性評価:乾式貯蔵施設の設置に伴う既存建屋(基設建屋)の基礎地盤の安定性評価について、周辺斜面の評価と併せて説明を行うこと。
- 乾式貯蔵建屋の除熱阻害:乾式貯蔵建屋の除熱機能について、積雪等による給排気口の閉塞防止設計を、先行サイトの審査実績を踏まえて詳細に説明すること。
議題2:日本原子力発電株式会社東海第二発電所の防潮堤(鋼製防護壁)の設計変更に係る設計及び工事の計画の変更認可申請の審査について
技術的な議論の内容
- 高強度鉄筋(SD-685)の適用性:
- 防潮堤構成防護壁の長杭鉄筋コンクリート部材に高強度鉄筋SD-685を使用するにあたり、3次元非線形解析を用いて詳細な評価を実施。
- 津波荷重と余震荷重の重畳時を評価した結果、最大ひずみは2498μ(マイクロ)であり、SD-685の許容ひずみを下回ることを確認。
- 部材全体のひずみレベルはSD-490の降伏ひずみ以下に収まっており、鉄筋周辺のコンクリートひび割れも含め、設計上問題ないレベルであることを確認。
- 地盤条件の考慮:
- 液状化評価における地盤変形特性の不確かさとして、標準的な液状化パラメータに加え、VSO-1層の非液状化パラメータを適用するケースを追加で考慮。
- 津波と地震の重畳時(頂上時)は、3ケースの地盤バネを設定して評価を行う。
- セメント系地盤改良体による効果として、剛性の増大は考慮せず、地盤反力度の上限値を増やす設計方針を採用。
- 薬液注入工事の計画:
- 地盤の粒度分布を確認し、工法が適用可能であることを確認。
- AG2層に対する施工では、設計目標強度を達成するため、5%濃度の薬液を採用する計画。
- 施工後の品質管理は、シリカ管理量増分量と液状化強度比の関係から品質管理値を設定。
- 工事の実現性:
- 太径鉄筋、高密度配筋を含む「中実鉄筋コンクリート」の構築についてモックアップ試験を実施。
- 試験の結果、高密度配筋箇所へのコンクリートの充填に問題はなく、設計通りに構築が可能であることを確認。
- その他の部材についても、中実鉄筋コンクリートが最も厳しい条件であることを確認し、試験結果の適用が可能であることを示した。
規制庁からの宿題事項(コメント・指示)
- 工事計画の不確かさの網羅性:不確かさの抽出、対策、配慮が十分なものであるか、検討プロセスを含めた検討の詳細を今後の施工・検査の説明の中で示すこと。
- 薬液注入の品質管理値:薬液注入工事の施工後の品質管理について、許容限界である品質管理値の妥当性について、今後の審査で詳細な説明を行うこと。
- 次回審査の準備:次回の審査会合で予定されている「ステップ4」の説明について、検討が必要になった経緯(前回の設計・工事計画の経緯)を踏まえ、十分に準備をして説明を行うこと。