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第119回特定原子力施設監視・評価検討会(令和7年12月15日)

出典 : https://youtube.com/live/ItjMT-N-uYs?si=cV6YoPGAWPH7YMDs

会議概要

  • ALPS処理水海洋放出の状況: 2025年12月現在、第17回目(管理番号25-6-17)の放出を実施中であり、放出前の分析で告示濃度限度比の総和およびトリチウム濃度がいずれも基準を満足していることを報告した。
  • 緊急事態への対応: 12月8日の地震発生に伴う津波注意報発令時、アルプス処理水(ALPS処理水)の放出を停止し、設備点検後に放出を再開した対応について報告された。
  • 水処理二次廃棄物等の固化処理: 廃棄物の性状、技術の適用性、廃棄体要件を組み合わせた検討が必要であり、具体的な工程を示すのは分析データや技術開発を待ってからになるとの見解が東京電力(TEPCO)から示された。
  • 中期的リスクの低減目標マップ: 放射性物質分析・研究施設第2棟を含めた相互分析施設の2033年完成に向けた具体的なロードマップの提示を原子力規制庁(NRA)側が求めた。

議題1:ALPS 処理水海洋放出の状況等について

技術的な議論の内容

  • 放出状況と分析結果:
    • 2025年12月4日から第17回目(管理番号25-6-17)の海洋放出を実施中である。
    • 放出前の分析では、管理番号25-5-16の測定評価対象核種の告示濃度限度比の総和は0.14(基準:1未満を満足)、トリチウム濃度は25万ベクレル/Lであった。
    • 管理番号25-6-17の測定評価対象核種の告示濃度限度比の総和は0.19、トリチウム濃度は31万ベクレル/Lであり、いずれも基準を満足している。
    • 実質的に測定している39核種や一般水質についても、水質汚濁防止法に関わる基準を満足していることを確認した。
  • 希釈放出時の運転パラメータ:
    • ALPS処理水の輸送流量と海水の輸送流量は安定して運転できており、希釈後トリチウム濃度は運用上限値である1,500ベクレル/L、および運用目標値である700ベクレル/L以下に制御できている。
    • 希釈倍率は常時800倍程度を安定して確保している。
    • 放出モニターの指示値は、通水側も非通水側もバックグラウンド相当であることを確認した。
  • 地震発生時の対応:
    • 12月8日の地震発生に伴う福島県への津波注意報発令を受け、アルプス処理水希釈放出設備を自動停止し、津波注意報解除後、設備に異常がないことを確認し、放出を再開した。
    • 停止判断は、津波注意報のほか、震度5弱以上の地震、竜巻注意情報、高潮警報等の自然現象の発生時を基準としている。
  • 海域モニタリング結果:
    • 放出口から3km圏内および10km四方内の海水のトリチウム濃度は、いずれも調査レベルおよび放出停止判断レベルを下回る結果となっている。
  • 設備点検:
    • 2025年度の希釈放出設備の点検を計画しており、先行して測定確認用設備の循環ポンプの分解点検を完了した(異常なし)。
  • 原子力規制庁による分析結果:
    • 原子力規制庁が独自に実施した、管理番号25-5-16バッチに対する比較分析結果は、東京電力の分析結果と概ね整合しており、告示濃度限度比の総和も1未満であることを確認した。

規制庁からの宿題事項(コメント・指示)

  • 原子力規制庁による分析結果について、東京電力の分析値と規制庁の分析値の比の分布などを確認することで、分析にバイアスがかかっていないか、特に不確かさの過剰な見積もりによるバイアスがないかを検証し、もし傾向が見られるようであれば、その原因究明と対応を行うこと。

議題2:中期的リスクの低減目標マップにおける取組の進捗状況

技術的な議論の内容

  • 進捗状況:
    • 2025年度に達すべき目標として定めた項目のうち、計画に沿って進捗しているものが報告された。
    • 1号機および3号機のサプレッション・プール水位の低下(水抜き)の状況が進捗している。
    • 放射性物質分析・研究施設第2棟について、水処理二次廃棄物などの廃棄体要件を検討するための分析の必要性から重要であると説明された。

規制庁からの宿題事項(コメント・指示)

  • 放射性物質分析・研究施設第2棟を含めた相互分析施設の、リスク低減目標マップに記載された2033年完成に向けた具体的なロードマップ(工程)を明確にして提示すること。

議題3:固形状の放射性物質に関する検討状況

技術的な議論の内容

  • 水処理二次廃棄物等の固化処理方針:
    • 固化処理方針の策定にあたり、廃棄物の性状、技術の適用性、廃棄体要件という観点で、かなりの組み合わせの中で検討しなければいけないことが整理された。
    • 固化処理の実現には、今後、分析等によるデータの積み重ねや技術開発が必要であり、現段階で「いつまでに固化ができる」という明確な工程を示すのは難しいとの見解が東京電力から示された。
  • 水処理二次廃棄物等の工法変更:
    • 水処理二次廃棄物(ゼオライト土嚢等)について、当初のセメント固化の計画から、フレキシブルコンテナ(フレコン)に格納して固体貯蔵庫に持っていく工法へ変更する方針が示された。
  • 規制庁側の認識:
    • 海外事例(セラフィールド、ハンフォード等)の調査結果から、1Fにとって一番最適の、いわゆる中間生成物も含めた最終的な管理をどうすべきかという点を東京電力とやり取りしている。

規制庁からの宿題事項(コメント・指示)

  • 分析データが今後溜まってくる段階で、それを基に具体的な検討内容を提示し、議論を進めること。
  • 水処理二次廃棄物等の固化処理について、海外事例を踏まえつつ、1Fにとって一番最適の、いわゆる中間生成物も含めた最終的な管理のあり方を検討し、議論を進めること。

議題4:1Fに係る審査及び検査の改善に向けた検討

技術的な議論の内容

  • 審査・検査の改善検討の進捗:
    • 原子力規制庁は、審査と検査をより効果的かつ効率的にするための改善検討を継続しており、検討は終盤に差し掛かっている。
    • 高線量1/2号機サプレッション・チェンバーの上部に水素ガスが溜まっていたため、水素ガスのパージを進めており、今後、ガスパージを進めながら配管の回収を行う。
    • 配管回収時には、水素濃度を確認したり、水素の影響がないかをしっかり確認して実施する。

規制庁からの宿題事項(コメント・指示)

  • 原子力規制庁は、審査・検査の改善に向けた検討の進捗に応じ、適宜、本検討会で状況を共有するようにお願いいたします。

議題5:その他

  • 特記事項
    • 原子力規制委員の神田氏が伴委員の後任として司会進行を務めること、双葉町商工会副会長の勝山氏が新たに委員として参画することが紹介された。
    • 勝山委員からは、双葉町の町民帰還が進まない理由の一つに福島第一原子力発電所(1F)の廃炉問題があり、会議に参加することで不安の解消に繋がればという挨拶があった。