第20回原子炉安全基本部会・第14回核燃料安全基本部会(令和7年12月18日)
出典 : https://youtube.com/live/NXS1hxYfRho?si=nFTYNgd7vV3132oZ
会議内容の概要
- 国際原子力機関(IAEA)による総合規制評価サービス(IRRS)ミッションへの準備: 2026年1月〜2月に予定されている10年ぶりのIRRSミッションに向けた自己評価結果(サマリーレポート)と、それに基づく10項目のアクションプランが共有されました。
- 実用発電用原子炉の許認可制度の見直し: 安全上の重要度に応じた「グレーデッドアプローチ」の導入や、地震・津波のハザード審査と設備設計の審査タイミングを分けるプロセスの見直しなど、規制の効率化と予見性向上に向けた検討状況が報告されました。
- 国内外の事故・トラブル情報への対応: 直近の技術情報検討会の結果概要や、設計検証に関わるトラブル事例についての情報収集・分析結果が共有されました。
- 原子力規制検査の実施状況: 令和6年度の検査実施状況および、リスク情報を活用したより効果的な検査制度への改善について議論されました。
議題1:原子力規制委員会の最近の取組
(IRRSミッションの事前提出資料(ARM)および実用発電用原子炉の許認可制度等に係る見直しについて)
技術的な議論の内容:
- IRRS(Integrated Regulatory Review Service:総合規制評価サービス)への対応: 10年ぶりのレビューに向け、約350問の質問に対する自己分析を実施。外部の技術支援機関(TSO:Technical Support Organization)である量子科学技術研究開発機構(QST)や日本原子力研究開発機構(JAEA)との連携強化、放射性同位元素(RI)の防護措置・セキュリティ対策の強化などをアクションプランとして策定。
- グレーデッドアプローチの導入: 安全上重要度の低い変更(クラス3施設や一般産業品の規格を適用する可搬型設備等)について、現在の「認可」から「届出」へ移行し、審査リソースをより重要な安全事項に集中させる。
- 審査プロセスの分離(セパレート申請): 地震・津波のハザード審査を先行させ、確定した後に設備の設計申請を行うことで、ハザード想定の変更による手戻り(設計やり直し)を防ぎ、審査の予見性を高める。
- 廃止措置の効率化: リスクの低い廃止措置作業の計画変更についても、届出制の導入などを検討。
規制庁からの宿題事項(コメント・指示):
- RI規制への配慮: 放射性同位元素(RI)施設の特性を十分に考慮し、原子炉施設向けの過剰な規制を適用しない(「スズメを打つのに大砲を使う」ようなことにならない)ようIAEAとコミュニケーションをとること。
- 人材確保の視点: 制度改正や新技術の活用(DX化など)を進める際、将来的な人口減少を見据え、限られた人材で安全を見落とさないための合理的な仕組みを構築すること。
議題2:国内外で発生した事故・トラブル及び海外の規制動向に係る情報の収集・分析を踏まえた対応
(第72回〜第75回技術情報検討会の結果概要および設計検証に関わるトラブル事例について)
技術的な議論の内容:
- 技術情報のスクリーニング: 直近の検討会で抽出された国内外のトラブル事例のうち、日本の規制基準やガイドに反映すべき事項の有無を精査。
- 設計検証(デザイン・ベリフィケーション)の不備: 近年発生した複数のトラブル事例を分析した結果、設計段階での検証プロセスや、過去の知見の反映不足が共通の要因として浮き彫りになった。これに対する規制上の着眼点について議論。
規制庁からの宿題事項(コメント・指示):
- 分析の深度化: 単なる事象の共有にとどまらず、なぜ設計検証が機能しなかったのか、組織的な要因を含めた深掘りした分析を継続すること。
議題3:原子力規制検査の実施状況
技術的な議論の内容:
- 検査の運用状況: 令和6年度の検査実施状況(四半期ごとの推移)を報告。現場の検査官の知見やリスク情報に基づき、安全上重要な機器・系統への重点的な立ち入りを実施。
- 検査制度の改善: 現場の検査官の負担を考慮しつつ、より合理的な検査手法(リスク情報の活用、デジタル技術の導入など)の検討を推進。
規制庁からの宿題事項(コメント・指示):
- 重要事項への注力: 検査制度の合理化を進める中で、形式的な確認に忙殺され、真に安全上重要な事象を見落とすことがないよう、リスクに基づいたメリハリのある検査体制を維持すること。