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第3回耐震設計に係る日本電気協会の規格の技術評価に関する検討チーム(令和7年12月23日)

出典 : https://youtube.com/live/xImQwFFVaXE?si=ZV5bzQAkRnuTyPyp

会議概要

  • JEAC4601-2021(原子力発電所耐震設計技術規程 2021年版) の技術評価を目的とし、前回までの会合で出された説明依頼事項(計22項目)に対する日本電気協会からの回答を中心に審議が行われた。
  • 極限解析の適用性について、地震荷重に対する解析事例の不足が指摘されていたが、電気協会は「荷重作用点の違いはあるが、弾塑性挙動の本質は変わらない」とする論理で妥当性を主張した。
  • 配管系の一次応力評価の合理化が大きな焦点となり、疲労損傷防止による塑性崩壊防止の代替評価や、ひずみ制限を設けないことの力学的根拠について規制庁側から詳細な説明が求められた。
  • 全体として、技術的妥当性の立証には至っている部分が多いものの、一部の評価手法については追加の定量的な根拠や比較表の提示が宿題として残された。

議題1:耐震設計に係る日本電気協会の規格の技術評価について

議論の流れと論点: クラス1容器(原子力用機器の重要度分類における最上位クラス)の極限解析において、許容状態C(設計基準事故時の状態)への適用妥当性が議論となりました。前回会合で規制庁側から「示された解析事例が内圧のみであり、地震荷重に対する事例を示すべき」との疑義が呈されていました。これに対し日本電気協会は、地震荷重による直接的な解析実績は少ないものの、荷重を全増的に与え続ける極限解析の特性上、内圧であっても地震荷重であっても、弾塑性域に達した後の応力再分配を経て塑性崩壊に至る応答挙動のメカニズムは共通であると立証の論理を展開しました。

技術的な評価と結論(着地点): 「二倍勾配法」による崩壊荷重の算出手法は、荷重の種類によらず適用可能であるとの説明がなされました。具体的には、荷重作用点が限定的な地震荷重であっても、適切にモデル化を行うことで、応力集中部位の降伏から全体的な塑性変形に至る過程を捉えられる点に納得が得られました。ただし、許容状態CおよびD(重大事故等時の状態)における具体的な制限値の差異については、引き続き精査が必要とされています。

規制庁からの宿題事項(コメント・指示)

  • 地震荷重特有の崩壊モードの整理:内圧による膨張と、地震による支持部への局所荷重が、最終的な崩壊挙動にどのような差をもたらすか、あるいはもたらさないかを改めて整理すること。
  • JASM(日本機械学会 発電用原子力設備規格)との整合性確認:最新の機械学会規格における極限解析の扱いと、JEACでの規定内容に乖離がないか対照表を作成すること。

議題2:機器・配管系の塑性ひずみの取扱いについて

議論の流れと論点: クラス1配管の一次一般膜応力(断面全体に一様に生じる応力)評価において、地震荷重を評価対象から除外したことの是非が争点となりました。規制庁側は「地震時に内圧以外で生じる一般膜応力が無視できるほど小さいという定量的根拠」を求めました。これに対し、事業者は配管系モデルを用いた試算結果を提示し、地震による軸力やせん断力は、曲げモーメントに比べて配管の許容値に対して十分に小さい(支配的ではない)ことを説明しました。

技術的な評価と結論(着地点): 配管系では、塑性崩壊に至る前に繰り返し荷重による疲労損傷が先行するという知見に基づき、一次応力評価を疲労評価で代替する方針が概ね認められました。ひずみ制限については、ASME(米国機械学会)の1994年アジェンダ等を参照し、詳細解析を行わない一般的な設計式においては、累積ひずみ制限が直接的に要求されていない国際的な基準との整合性が確認されました。

規制庁からの宿題事項(コメント・指示)

  • 累積ひずみの影響評価:ラチェット(繰り返し荷重によるひずみの累積)が生じる場合でも、破断限界に対して十分な余裕があることを示す追加データの提示。
  • ASME Code NB-3200/3600の引用精査:1994年以降のASME規格の変遷を整理し、JEACがひずみ制限を設けないことが現在の国際標準においてどのような位置付けになるかを明確にすること。
  • 告示501号との対比:現行の技術基準告示第501号で規定されている評価式と、今回合理化した計算式の差異を明確にした比較表の作成。