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第1382回原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合(令和7年12月26日)

出典 : https://youtube.com/live/LqSpci4-jZo?si=So1O_au5kMg3m3ZH

会議概要

本会合では、九州電力・玄海原子力発電所および北陸電力・志賀原子力発電所を対象に、主に以下の事項が審議されました。

  • 九州電力(玄海3・4号炉): 地震調査研究推進本部(地震本部)による2022年の「日本海南西部の海域活断層の長期評価」を反映した基準津波の超過確率の参照、および基準地震動(Ss-7)を踏まえた基礎地盤・周辺斜面の安定性評価が概ね妥当と判断されました。
  • 北陸電力(志賀2号炉): 敷地周辺(海域)の地質構造に関するコメント回答が行われましたが、規制庁からは変動地形学的調査の不足や国土地理院の最新図との整合性、敷地内の推定活断層の検討状況など、多くの追加課題が提示されました。
  • 審査の進め方: 志賀2号炉については、論点を整理し、地質構造評価を段階的に進める方針が示されました。

議題1:九州電力(株) 玄海原子力発電所3号炉及び4号炉の津波評価について

(「日本海南西部の海域活断層の長期評価(第一版)」を踏まえた基準津波の超過確率の参照)

■ 議論の流れと論点 地震本部2022の長期評価を踏まえ、策定された基準津波がどの程度の発生頻度(年超過確率)に相当するかを確認する「超過確率の参照」が議論されました。技術的な争点は、最新の知見に基づき変更された波源モデル(壱岐北東部と警固断層帯の統合、白島沖と福知山断層帯の連動追加など)が、確率論的津波ハザード評価(PTHA)のロジックツリーに適切に反映されているかという点でした。

■ 技術的な評価と結論(着地点) 基準津波による水位の年超過確率は、上昇側・下降側ともに概ね10^-6から10^-7オーダーであることが示されました。規制庁は、地震本部2022の知見を反映した波源選定、不確かさ(傾斜角、発生頻度、津波推定値のばらつき等)の考慮、および最新5年間の潮位データの適用が適切であると判断し、超過確率の参照結果を確認しました。

■ 規制庁からの宿題事項(コメント・指示)

  • 特になし(評価結果は概ね妥当とされました)。

議題2:九州電力(株) 玄海原子力発電所3号炉及び4号炉の基礎地盤及び周辺斜面の安定性評価について

(基準地震動 Ss-7 を踏まえた評価 ※特定重大事故等対処施設を除く)

■ 議論の流れと論点 基準地震動Ss-7の策定に伴い、耐震重要施設を支持する基礎地盤および周辺斜面の安定性を再評価した結果が報告されました。論点は、各評価断面においてSs-7による地震力が作用した際、すべり安全率が基準値を上回っているか、および物理特性(密度、せん断強度等)の設定プロセスに妥当性があるかという点に集中しました。

■ 技術的な評価と結論(着地点) 周辺斜面および基礎地盤において、最小すべり安全率が判定基準値(1.2等)を上回っていることが、静的・動的安定解析の両面で確認されました。特に、最も厳しい評価となる断面の選定根拠や、岩盤分類に基づく物性値の設定手法が認められました。これにより、Ss-7に対する安定性評価は概ね妥当であると結論付けられました。

■ 規制庁からの宿盤事項(コメント・指示)

  • 特になし(評価結果は概ね妥当とされました)。

議題3:北陸電力(株) 志賀原子力発電所2号炉の敷地周辺の地質・地質構造について

(敷地周辺(海域)の断層評価および今後の説明の進め方案)

■ 議論の流れと論点 敷地周辺海域の活断層評価に関する前回会合のコメント回答が行われました。主な争点は、海域断層の連続性および北方・南方への延長性の評価です。規制庁は、北陸電力が提示した「海底地形や音響測深データに基づく判断」に対し、データ解釈の客観性や、国土地理院が発行した最新の「活断層図」との解釈の乖離を強く疑問視しました。また、敷地内の推定活断層(大陸棚外縁断層等)と海域断層の関係性についても説明が不十分であるとの指摘がなされました。

■ 技術的な評価と結論(着地点) 説明内容に多くの疑義が残るとして、結論は持ち越されました。特に、変動地形学的観点からの調査(空中写真判読等)が旧来の手法に留まっており、最新の知見や規制庁側の解析結果と整合していない点が「大きな課題」として残されました。一方で、審査の効率化のため、今後の進め方案(段階的な説明)については、規制庁側から具体的な論点整理の指示が出されました。

■ 規制庁からの宿題事項(コメント・指示)

  • 最新知見との整合性提示: 国土地理院の活断層図(都市圏活断層図等)における解釈と、事業者の評価に差がある箇所の特定および理由の定量的説明。
  • 変動地形調査の拡充: 従来の調査結果と、規制庁が指摘する地形的特徴(リニアメント等)を対比させた詳細な対照表の作成。
  • 敷地内断層との連動性検討: 敷地内の推定活断層および大陸棚外縁断層について、海域の主要断層との構造的関係性を整理した資料の提示。
  • 説明の論点整理: 提示された「今後の進め方案」を修正し、どの項目をどの段階で確定させるのかを明記した工程の再提示。

議題4:その他

本日の審議内容を踏まえ、次回の審査会合に向けた事務的な調整事項が確認されました。特に志賀2号炉については、地質構造の評価が長期化する懸念があることから、論点を絞った重点的な審議を行うことが確認されました。